教育
学校教育における必修教科の仕組みと各国制度
学校教育における必修教科の定義、日本の小学校・中学校・高等学校における制度の違い、およびイギリスやドイツの学制における必修領域の特徴を解説します。
📌 主なポイント
- ✓必修教科は、進級や卒業の要件として履修が義務付けられている教科である。
- ✓日本の小学校には必修と選択の区別がなく、全教科の履修が必要である。
- ✓イギリスの義務教育終了時のGCSEに対応するため、数学や英語などが必修科目として指定されている。
- ✓ドイツのギムナジウム上級段階では、言語・文学・芸術、社会科学、数学・自然科学・技術などの課題領域ごとに必修教科が定められている。
必修教科(ひっしゅうきょうか)とは、学校教育などにおいて、進級や卒業の要件として履修が義務付けられている教科のことである。選択教科の対立概念として位置づけられる。
日本の学制における必修と制度
日本の学校教育においては、学校段階によって必修の扱いが異なる。
小学校においては必修と選択の区別は設けられておらず、すべての教科を履修する必要がある。一方、中学校では学習指導要領によって必修教科が定められており、各学校において選択教科が設置される場合がある。
高等学校では、厳密には「必修教科」ではなく必履修教科と呼ばれる。これらはいくつかの科目から構成されており、保健体育以外は選択的に履修する仕組みとなっている。これらは「必履修教科・科目」と表現され、学習を行う「履修」と、その成果が認められる「修得」が区別されている。
イギリスの学制における必修科目
イギリスでは16歳までが義務教育期間とされており、中学卒業時には卒業試験に相当するGCSEを受験する必要がある。これに対応するため、数学、英語、科学、語学(フランス語またはドイツ語)、歴史、地理、宗教学などが必修科目として指定されている。
ドイツの学制における必修領域
ドイツのギムナジウム上級段階では、授業が必修領域と選択領域に分かれている。
例えばバーデン・ヴュルテンベルク州の場合、必修領域は以下のような課題領域に分類されている。
- 課題領域I(言語・文学・芸術):ドイツ語、外国語(英語・フランス語・ラテン語・ギリシャ語・ロシア語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語)、音楽、美術
- 課題領域II(社会科学):歴史、地理、社会科、経済、宗教または倫理
- 課題領域III(数学・自然科学・技術):数学、生物、化学、物理
- その他:いずれの課題領域にも属さない必修教科として体育がある
よくある質問
必修教科とは何ですか?
学校教育などにおいて、進級や卒業の要件として履修することが定められている教科のことです。
日本の高等学校における「履修」と「修得」の違いは何ですか?
履修は科目を学習することを指し、修得は学習の成果が認められることを指します。
ドイツのギムナジウム上級段階の必修領域にはどのようなものがありますか?
言語・文学・芸術領域、社会科学領域、数学・自然科学・技術領域などに分かれており、体育なども必修として含まれます。
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参考文献
津野志摩子『イギリス暮らしの英語表現』2006年、ベレ出版、197頁。
木戸裕「ドイツの大学入学法制 - ギムナジウム上級段階の履修形態とアビトゥーア試験」(国立国会図書館デジタルコレクション) 2021年11月5日閲覧。
木戸裕「ドイツの大学入学法制 - ギムナジウム上級段階の履修形態とアビトゥーア試験」(国立国会図書館デジタルコレクション) 2021年11月5日閲覧。