計算機科学の理論的基礎と歴史的発展

📌 主なポイント
- ✓計算機科学は情報と計算の理論的基礎、アルゴリズム、システム設計などを扱う学問分野である。
- ✓クルト・ゲーデル、アロンゾ・チャーチ、アラン・チューリングらの研究により、現代の計算理論と汎用計算機の概念がもたらされた。
- ✓1960年代には計算機科学が独立した学問分野として確立され、大学での教育や学位認定が始まった。
計算機科学(けいさんきかがく、英: computer science、CS)とは、情報と計算の理論的基礎、それらをコンピュータ上で実現するための手法(アルゴリズム、データ構造、プログラミング言語、計算モデル、計算機システムなど)、およびその応用を扱う学問分野である。日本語では「コンピュータ科学」や「コンピュータサイエンス」とも呼ばれる。

歴史的背景
古くから計算を補助する道具としてそろばんや各種の機械が存在していた。1623年にはヴィルヘルム・シッカートによって最初の機械式計算機が作られ、ヴィクトリア朝時代にはチャールズ・バベッジがプログラム可能な解析機関を設計した。1890年にはハーマン・ホレリスのパンチカードシステムが米国勢調査に初めて導入された。

1920年代以前、「computer」という語は人間としての「計算手」を指していたが、この時代にクルト・ゲーデル、アロンゾ・チャーチ、アラン・チューリングらによって現代に通じる計算理論と計算模型が考案された。彼らは「紙と鉛筆と命令書だけでどのようなものが計算できるか」という計算可能性に注目し、あらゆる計算作業を実行可能な汎用計算機の概念を生み出した。1940年代以降、電子式コンピュータの発展とともに「computer」は機械そのものを指すようになり、プログラム内蔵方式などの仕組みが確立された。1960年代には計算機科学は独立した学問分野として確立され、大学等での教育や学位認定が行われるようになった。
教育とカリキュラム
多くの大学にコンピュータ科学を専攻とする部門が存在し、教育現場では「計算論的思考」(Computational Thinking)が基本技術として重視されている。国際学会であるACMなどは、1968年以来定期的に学部プログラム向けのカリキュラムガイドライン(最新版の一つとしてCS 2013など)を策定しており、日本の情報処理学会もこれに準じたカリキュラム標準を発表している。なお、大学組織における部門名としては、独立した「Computer Science Department」とする事例のほか、電気電子工学と統合した「Electrical Engineering and Computer Science」(EECS)とする事例も見られる。
主要な成果
計算機科学は、科学や社会に対して数々の根源的な貢献を果たしてきた。主な成果として以下が挙げられる。
- 情報化時代やインターネットに代表される情報革命の実現。
- 計算と計算可能性の定義、および計算不能な問題の存在証明。
- 多様な抽象化レベルを持つプログラミング言語概念の構築。
- 第二次世界大戦におけるエニグマ暗号の解読への貢献。
- 数値計算やシミュレーションを用いた計算科学の発展。
よくある質問
計算機科学とはどのような学問ですか?
計算機科学と計算科学の違いは何ですか?
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参考文献
- Computer science (CS) in the compulsory education curriculum: Implications for future research. Education and Information Technologies, 22(2), 421.
- Generation CS: the growth of computer science. ACM Inroads, 8(2), 44.
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「計算機科学」