暦法
コプト暦の概要と歴史的背景
古代エジプト暦を起源とし、現在もコプト正教会で用いられている太陽暦「コプト暦」の構造、歴史、および暦法上の特徴について解説します。
📌 主なポイント
- ✓コプト暦は古代エジプト暦を起源とする太陽暦である。
- ✓1年は12ヶ月(各30日)と追加日(5日または6日)で構成される。
- ✓ユリウス暦と同期しており、4年ごとに閏年が挿入される。
- ✓コプト正教会の典礼暦として現在も使用されている。
コプト暦(Coptic calendar)は、古代エジプト暦を直接の起源とする太陽暦の一種であり、別名「アレクサンドリア暦」とも呼ばれます。現代においては、主にエジプトのコプト正教会における典礼や宗教行事の基準として利用されています。
暦の構造
コプト暦は、1年を12の月と、年末に置かれる追加日(エパゴメネ)で構成されています。各月は一律30日であり、12ヶ月で360日となります。これに5日の追加日(閏年には6日)を加えることで、平年365日、閏年366日のサイクルを形成します。
この暦法はユリウス暦と同期しており、4年ごとに閏年が挿入されます。年始はユリウス暦の8月29日(閏年の前年は8月30日)に設定されており、これはグレゴリオ暦では通常9月11日または9月12日に相当します。この年始の時期は、古来よりナイル川の増水時期と重なっており、農業のサイクルと密接に関連していました。
月名と構成
コプト暦の月名は以下の通りです。日付はユリウス暦に基づいています。
- トウト(8月29日〜)
- パオペ(9月28日〜)
- ハトール(10月28日〜)
- コイアック(11月27日〜)
- トーベ(12月27日〜)
- メシル(1月26日〜)
- パレムハート(2月25日〜)
- パレムウデ(3月27日〜)
- パションス(4月26日〜)
- パオーネ(5月26日〜)
- エペープ(6月25日〜)
- メソレ(7月25日〜)
- エパゴメネ(8月24日〜)
歴史的紀元
コプト語の年代記において最も一般的に用いられた紀元は、ディオクレティアヌス紀元(殉教紀元)です。これはローマ皇帝ディオクレティアヌスの治世下で多くのキリスト教徒が迫害されたことに由来します。また、歴史的には15年周期のインディクティオン(徴税周期)なども併用されていました。
よくある質問
コプト暦の年始はいつですか?
ユリウス暦の8月29日(閏年の前年は8月30日)です。グレゴリオ暦では、西暦1900年から2099年の間、9月11日または9月12日に相当します。
コプト暦とエチオピア暦の違いは何ですか?
年と月の構成は同一ですが、年数(紀元)や月の名称が異なります。
コプト暦で最も使われた紀元は何ですか?
ディオクレティアヌス紀元(殉教紀元)が最も一般的に用いられました。
関連記事
太陽暦ユリウス暦エチオピア暦コプト正教会古代エジプト暦
参考文献
Wolfgang Kosack: Der koptische Heiligenkalender. Deutsch - Koptisch - Arabisch nach den besten Quellen neu bearbeitet und vollständig herausgegeben mit Index Sanctorum koptischer Heiliger, Index der Namen auf Koptisch, Koptische Patriarchenliste, Geografische Liste. Christoph Brunner, Berlin 2012, ISBN 978-3-9524018-4-2.