物理学

ダルトンおよび統一原子質量単位の解説

ダルトンおよび統一原子質量単位の解説
ダルトン(Da)および統一原子質量単位(u)の定義、歴史、物理学的背景、および国際単位系における位置づけについて解説します。

📌 主なポイント

  • ダルトン(Da)および統一原子質量単位(u)は、炭素12原子の質量の1/12と定義される。
  • 1 Da ≒ 1.66053906892(52) × 10^-27 kg(2022年CODATA推奨値)。
  • ダルトンはSI併用単位として国際的に認められている。

ダルトン(dalton、記号: Da)および統一原子質量単位(unified atomic mass unit、記号: u)は、原子や分子などの極めて微小な粒子の質量を表すために用いられる非SI単位です。これらは生化学や物理学の分野で広く利用されています。

定義と物理的背景

ダルトンおよび統一原子質量単位は、静止して基底状態にある自由な炭素12(12C)原子の質量の1/12と定義されています。この定義は1960年に採用され、それ以前に存在した酸素原子を基準とする複数の定義による混乱を解消するために導入されました。

キログラム単位での値は実験的に求められる物理定数であり、2022年のCODATA推奨値によれば、1 Da ≒ 1.66053906892(52) × 10-27 kg です。

国際単位系(SI)における位置づけ

国際度量衡局(BIPM)が発行する国際単位系(SI)国際文書において、ダルトンはSI併用単位として位置づけられています。一方、統一原子質量単位(u)は、2019年以降のSI文書ではSI併用単位の一覧から除外され、ダルトンの別称として扱われています。なお、いずれも法定計量単位ではありません。

名称と記法

ダルトン」の名称は、近代原子論を提唱したジョン・ドルトンに由来します。単位記号は立体の「Da」と表記し、人名由来であるため最初の文字を大文字とします。かつて使用されていた記号「D」は現在では使用が推奨されません。また、かつて用いられていた原子質量単位(amu)は、炭素12を基準とする現在の定義とは異なるため、使用は不適切とされています。

関連する物理量

ダルトンは質量の単位ですが、原子量や分子量と混同されることがあります。原子量や分子量は、対象の質量と原子質量定数(mu)の比として定義される無次元量です。原子質量定数は統一原子質量単位と等しく、mu = 1 Da = 1 u という関係にあります。

よくある質問

ダルトンと統一原子質量単位は同じものですか?
はい、定義上は同一です。現在ではダルトン(Da)がSI併用単位として記載されており、統一原子質量単位(u)はその別称として扱われています。
分子量をダルトンで表すことはできますか?
いいえ、できません。分子量は無次元量であり、質量そのものであるダルトン(Da)を単位として付与することは誤りです。
amuという単位は現在も使えますか?
いいえ、amuは過去の定義に基づく単位であり、現在は使用が推奨されません。代わりにダルトン(Da)または統一原子質量単位(u)を使用してください。

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参考文献

  • 国際単位系(SI)第9版(2019)
  • CODATA Value: unified atomic mass unit (NIST)
  • 斉藤勝裕、「物理・科学」の単位・記号がまとめてわかる事典