物理単位
デシベル(単位)の概要と定義

デシベル(dB)は、物理量の比を対数で表す単位です。音圧、電力、減衰量などの測定に広く用いられるこの単位の定義、歴史、および工学的な利便性について解説します。
📌 主なポイント
- ✓デシベル(dB)はベル(B)の10分の1の単位である。
- ✓電力比の計算には10を底とする対数に10を乗じる。
- ✓電圧や音圧など振幅の比を扱う場合は、対数に20を乗じる。
- ✓日本では計量法により、電磁波の減衰量、音圧レベル、振動加速度レベルの単位として定義されている。
デシベル(英: decibel、記号: dB)は、ある物理量を基準となる量との比で表す際に、その常用対数を用いて表現する単位です。電気工学、音響工学、振動工学などの分野で、信号の増幅や減衰、音の強さといった幅広い数値を扱うために頻用されます。
定義と背景
デシベルは、アレクサンダー・グラハム・ベルの名に由来する「ベル(bel、記号: B)」の10分の1の大きさを表す単位です。ベルは底を10とする常用対数を用いた単位であり、デシベルはベルに10分の1を示す接頭辞「デシ(deci-)」を付したものです。
物理量 A と基準量 A0 の比をデシベルで表す場合、以下の式で定義されます。
LdB = 10 log10 (A / A0)
この対数を用いた表現には、乗算を加算として扱えるという利便性があります。例えば、増幅器を多段接続する場合、個々の利得(ゲイン)をデシベルで表せば、全体の利得はそれらの和として計算可能です。
工学における利用
工学分野では、扱う物理量の次元によって計算式が使い分けられます。
電力利得
電力(パワー)の比を扱う場合、定義通りに10倍の係数を用います。
LP = 10 log10 (Pout / Pin) [dB]
電圧・音圧レベル
電圧や音圧などの振幅に関する物理量の場合、パワーが振幅の2乗に比例することから、係数は20倍となります。
LV = 20 log10 (Vout / Vin) [dB]
法的な位置付け
国際単位系(SI)においては、ベルやネーパと並び「SI併用単位」として位置付けられています。日本では計量法に基づき、電磁波の減衰量、音圧レベル、振動加速度レベルの3つの量について法定計量単位として定められています。
よくある質問
なぜデシベルは対数を使うのですか?
非常に大きな範囲の数値を扱いやすくするためです。また、乗算を伴う計算(増幅器の多段接続など)を加算として処理できるため、工学的な計算が簡略化されます。
0 dBとはどういう状態ですか?
基準となる量と測定対象の量が等しい(比が1である)状態を指します。
電圧の計算で20を掛けるのはなぜですか?
電力は電圧の2乗に比例するためです。対数の性質により、2乗の指数である2が係数として前に出てくるため、10×2=20となります。
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参考文献
産業技術総合研究所、計量標準総合センター (2020年3月). “国際単位系(SI)第 9 版(2019)”. p. 115. 計量法 別表第二. 計量単位令 別表第二.