医学
医学における脱水症の病態と分類およびその症状について

体内の水分量が不足した状態である脱水症について、医学的な分類、水分損失率に伴う症状の変化、および適切な治療・対策方法を解説します。
📌 主なポイント
- ✓脱水は体内の水分量が不足した状態であり、日本の医療現場では総称して「脱水」と呼ばれています。
- ✓脱水の主な原因は、水分摂取の不足と過剰な水分喪失の二つに大別されます。
- ✓水分損失率が20%に達すると生命の危機や死亡につながる危険性があります。
脱水(だっすい、英: dehydration)とは、医学において体内の水分量が不足した状態を指します。医学的な定義では、細胞外液を失う状態や、細胞外液および細胞内液の双方の水分が失われる状態などに分類されますが、日本では総称して「脱水」または「脱水症」と呼ぶことが一般的です。

原因
脱水は、水分喪失量に対して水分摂取量が不足することによって発生します。主な原因としては、水分摂取の不足と、発汗や排泄などによる過剰な水分喪失の二つが挙げられます。実際には、これらの要因が複合的に進行するケースが多く見られます。
水分損失率に伴う症状
身体の水分がどの程度失われたかを示す水分損失率に応じて、以下のような段階的な症状が現れます。
- 1%: 大量の汗、喉の乾き
- 2%: 強い乾き、めまい、吐き気、尿量減少、血液濃縮
- 3%: 汗が出なくなる
- 4%: 全身脱力感、動きの鈍り、精神不安定、疲労および嗜眠
- 6%: 手足の震え、ふらつき、頭痛、体温上昇、脈拍・呼吸の上昇
- 8%: 幻覚、呼吸困難、めまい、言語不明瞭、精神錯乱
- 10〜12%: 筋痙攣、失神、せん妄、循環不全、腎機能不全
- 15〜17%: 皮膚の乾燥、嚥下困難、目のくぼみ、聴力損失
- 18%: 皮膚のひび割れ、尿生成の停止
- 20%: 生命の危機、死亡
治療と対応
医療機関においては、患者の状態や電解質のバランスに応じて、適切な成分に調整された輸液や経口補水液が投与されます。
軽症であり経口摂取が可能な場合には経口補水塩などが用いられますが、ナトリウム濃度などの違いに注意が必要です。また、高度脱水の際には腎機能が低下していることがあり、カリウム排泄障害による高カリウム血症の危険性を考慮した慎重な処置が求められます。
よくある質問
脱水症の主な原因は何ですか?
水分喪失量に対して水分摂取量が不足することによって起こります。水分の摂取不足と過剰な喪失が同時に進行する場合も多くあります。
医療機関ではどのような治療が行われますか?
電解質の調整が行われた輸液や経口補水液の投与が行われます。患者の状態や腎機能に応じて成分や投与速度が調整されます。
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参考文献
日本災害医学会 用語集 / 杉森宏 『治療に伴う有害事象の予防』 / 江崎グリコ株式会社 水分不足が起こす「脱水症」の症状はどんなもの?対策するには。