電気伝導体の基礎と材料特性
📌 主なポイント
- ✓電気伝導体は電気を通しやすい材料であり、一般に金属がその代表例である。
- ✓銅は電気伝導率とコストのバランスから、配線材料として最も広く使用されている。
- ✓アルミニウムは銅に比べて軽量で安価だが、熱変形や酸化に関する特有の注意点がある。
- ✓導線に流せる電流の限界(電流容量)は、材料の抵抗値だけでなく、絶縁被覆の耐熱温度などによっても制限される。
電気伝導体(でんきでんどうたい)とは、電気を通しやすい材料、すなわち電気伝導率(導電率)の高い材料の総称である。良導体、あるいは単に導体とも呼ばれる。
概要と分類
物質の電気伝導率はその種類によって異なり、金属とセラミックの間には約20桁もの開きが存在する。一般には、電気伝導率がグラファイトと同等以上である10^{6} S/m以上のものが導体、10^{6} S/m以下のものが絶縁体(不導体)、その中間の値をとるものが半導体と分類される。
最も典型的な導体は金属である。銅やアルミニウムなどの金属内部では価電子が容易に移動できる状態にあり、電位差(電圧)が生じると電子が移動して電流が発生する。一般に、電流の大きさは電圧に比例する(オームの法則)。
主な電気伝導材料
電気回路の配線には、電気伝導率が高く実用的な銅が最も広く使われている。銀はさらに高い導電率を持つものの高価であるため、人工衛星の特殊装置や、高周波における表皮効果による損失を低減するための薄いメッキ処理などに用途が限られる。また、金は腐食しにくい性質を持つため、高品質な接触型端子などに利用されている。
アルミニウムは安価であり、単位質量当たりの電気伝導度が銅よりも優れているため、屋内配線や高圧送電線などで広く使われてきた。しかし、表面の酸化による接触抵抗の増大や、柔らかいために熱変形しやすいといった技術的特性があるため、専用の接続器具が必要となる。
電流容量と導線の制限
導線の電流容量(ampacity)とは、その導線に通すことのできる電流の限界値であり、電気抵抗と密接に関連している。抵抗が低いほど多くの電流を流すことができる。実用上は、導体を覆う絶縁被覆の耐熱温度(例:一般的なポリ塩化ビニル被覆では60度程度)によって流せる電流の上限が制限される。
等方性と異方性
材料に電場を印加した際、生じる電流が電場と同じ方向である材料を等方性電気伝導体と呼び、電場と異なる方向や逆向きに生じる材料を異方性電気伝導体と呼ぶ。