電子ディスプレイによる操縦席システム

📌 主なポイント
- ✓グラスコックピットは、アナログ計器に代えてディスプレイに情報を集約表示する操縦席システムである。
- ✓民間旅客機では、1982年に就航したボーイング767型機が最初にグラスコックピットを採用した。
- ✓鉄道車両においては、1982年の新幹線200系などで運転士支援用のモニタ装置が導入されたのが初期の展開にあたる。
グラスコックピットとは、乗り物の操縦や運転に必要となる各種情報を、従来の機械式アナログ計器やランプを用いず、ブラウン管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)などの画面上に集約して表示するコックピット(操縦席・運転台)の総称である。もともとは航空機の分野で用いられた用語であるが、現在では鉄道車両や自動車の運転席に対しても同様の表現が使用されている。
航空機における展開
従来の航空機では、一つの情報を確認するために最低一つの機械式計器が必要であり、操縦席には多数のアナログ計器が並んでいた。これにより乗員の負担が増大していたほか、多発機などではエンジン関連の計器を表示しきれずに航空機関士席が設けられることもあった。
グラスコックピット化が進むことで、速度計や高度計、水平儀などの飛行情報をディスプレイ上に統合して表示することが可能となった。また、エンジン回転数、燃料流量、航法データ、システムエラーなどの任意の情報を切り替えて表示できるため、計器数の大幅な削減や乗員の負担軽減、整備性の向上に寄与している。民間旅客機では、1982年に就航したボーイング767型機が最初に採用した。
鉄道車両における導入
鉄道車両においても、運転士の支援や車両状態の監視を目的としてディスプレイの導入が進められてきた。日本国内においては、1982年に登場した日本国有鉄道の東北・上越新幹線用200系車両において、プラズマディスプレイを用いた運転士支援用のモニタリング装置が採用されたのが初期の事例の一つである。
その後、1990年代以降は液晶ディスプレイの普及に伴い、新幹線および在来線車両の双方でモニタ装置や計器表示のデジタル化・画面集約が進められている。
自動車における計器のデジタル化
自動車の運転席においても、メーターパネル内への液晶やLED、有機ELディスプレイの導入が進んでいる。従来の機械式計器盤に代わり、走行情報や運転支援情報を統合して表示する技術が普及している。