国土地理院が提唱する空間情報基盤「電子国土」の概念と歴史
📌 主なポイント
- ✓電子国土は、国土地理院が1999年ごろに提唱した現実の国土の電子版(サイバースペース)を指す概念である。
- ✓2003年7月に開設された「電子国土ポータル」は、2013年10月より「地理院地図」へと移行した。
- ✓「電子国土」および「CYBERJAPAN」の名称は国土地理院によって商標登録されている。
電子国土(でんしこくど)とは、国土地理院が1999年ごろに提唱した概念であり、現実の国土の電子版であるサイバースペースを指す言葉である。縮尺の概念にとらわれず、複数のデータセットがコンピュータネットワークを通じて相互に接続される仕組みを想定している。
国土交通大臣が測量法の規定に基づいて定める基本測量長期計画においては、行政機関が保有する地理情報や過去から将来にわたるあらゆる地理情報を、いつでも、どこでも、だれでも容易に共有できる環境の構築が必要であると謳われている。なお、「電子国土」および「CYBERJAPAN(サイバージャパン)」という言葉は、国土地理院によって商標登録されている。
地理院地図への発展と関連サービス
場所や位置に関する情報の提供者と利用者を結び、相互に利用し合う場として、電子国土事務局が2003年7月に「電子国土ポータル」を開設した。その後、2013年10月30日より現在の「地理院地図」へと名称が変更され、2016年には旧ドメインの廃止などが告知された。
地理院地図では、誰もが自由に利用できる位置情報を登録・検索する機能が提供されている。また、国土地理院からは電子国土の理念を具現化するツールとして、2万5千分1地形図に相当する背景地図情報などが無償で配信されている。
電子国土Webシステムと廃止されたサービス
かつては電子国土の理念を具現化するツールとして、ActiveXコントロールを用いたウェブブラウザのプラグイン形式で「電子国土Webシステム」が無償提供されていた。このシステムは、サーバから配信される唯一の地理情報に基づき、クライアント側で異なる地図表現を生成する技術や、分散した複数の電子国土サイトから重ね合わせ情報を動的に取得する機能を備えていた。2008年6月からはプラグインを必要としない非プラグイン版の公開も行われ、地図閲覧サービス(ウォッちず)などのサイトで利用されたが、これらは後に発展的な変更や終了を迎えている。