電気設備

電線管の種類と特徴、電気工事における役割の解説

電線管の種類と特徴、電気工事における役割の解説
電気配線の保護や安全確保に欠かせない電線管について、鋼製電線管、合成樹脂管、可とう電線管の種類や特徴、日本の市場動向を分かりやすく解説します。

📌 主なポイント

  • 電線管は電線を物理的・環境的リスクから保護し、漏電や火災の拡大を防ぐ役割を持つ。
  • 鋼製電線管はJIS C 8305により規格化されており、厚鋼、薄鋼、ねじなしの3種類がある。
  • 電線管の通線や曲げ、ねじ切りなどの加工業務は電気工事士の資格が必要である。

電線管(でんせんかん)は、電気の伝送に用いられる電線を内部に収め、物理的・環境的なリスクから保護するために使用される金属製または合成樹脂製の管(パイプ)状の電設資材である。ケーブル工事においては、外装を保護する保護管としても活用される。

電線管により施工された工事(左:PF管、右:金属管)
電線管により施工された工事(左:PF管、右:金属管)

電気設備の技術基準の解釈においては、低圧の屋内配線、屋側配線、屋外配線の施工方法として、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事などが定められている。なお、電線管への電線の通線や、管の曲げ、ねじ切り、接続といった加工業務は電気工事士の資格を持つ者でなければ行うことができない。

電線管の主な役割

電線管の導入は、単に電線を収容するだけでなく、以下のような複数の重要な役割を果たしている。

  • 物理的な保護:外部からの衝撃や圧力から電線を守る。
  • 漏電対策:収容する電線の絶縁性能が劣化した際、外部への漏電の影響を軽減する。
  • 電磁遮蔽効果:金属製の電線管路は電磁シールドとして働き、周囲の磁界強度を減少させる。
  • 防火・耐燃:電線からの火災拡大を防ぎ、火災時における電線自体の保護に寄与する。
  • 美観の維持とメンテナンス:配線を隠すことで建物の美観を保ち、隠蔽配線における電線の入れ替えなどの維持管理を容易にする。

主な種類

鋼製電線管(金属管)

衝撃や圧縮に強く、不燃性を持つ点が特徴である。JIS C 8305によって規格化されており、「厚鋼電線管」「薄鋼電線管」「ねじなし電線管」の3種類に大別される。厚鋼および薄鋼電線管は管の両端に雄ねじを切り、専用のカップリングやボックスを用いて接続する。

厚鋼電線管(G36)の管口。ねじをきってある
厚鋼電線管(G36)の管口。ねじをきってある
ねじなし電線管(E25)の管口。ねじがない
ねじなし電線管(E25)の管口。ねじがない

一方、ねじなし電線管は管の側面からビスで締め付ける専用の付属品を使用するため、ねじ切りの手間を省き省力化を図ることができる。

金属製可とう電線管

屈曲性があり、自由に曲げることができる管である。曲げ加工が不可欠な場所や電動機などの機器への接続部に用いられる。JIS C 8309で規格化されている。

2種金属製可とう電線管
2種金属製可とう電線管

合成樹脂製可とう電線管

可とう性に優れ、切断や曲げが容易で施工性に優れる。JIS C 8411で規格化されており、代表的なものとしてPF管やCD管がある。

歴史と市場動向

日本における電線管の製造は、日本パイプ製造株式会社(現:パナソニック電工SPT)によって始められた。1935年の電気用品取締規則や、1951年の電気用品取締法の公布・基準制定を経て、工業規格に基づく製造・販売体制が整えられてきた。

よくある質問

電線管は何のために使用されますか?
電線を物理的な衝撃や圧力から守り、漏電や火災の拡大を防ぐとともに、建物の美観維持やメンテナンスの容易性を確保するために使用されます。
電線管の加工や施工は誰でも行えますかいいえ、電線管の通線や曲げ、ねじ切り、接続などの作業は電気工事士の資格を持つ者でなければ行うことができません。
いいえ、電線管の通線や曲げ、ねじ切り、接続などの作業は電気工事士の資格を持つ者でなければ行うことができません。
鋼製電線管にはどのような種類がありますか?
JIS C 8305に基づき、厚鋼電線管、薄鋼電線管、ねじなし電線管の3種類に分類されます。

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参考文献

  • 日本電設工業協会『新版新人教育-電気設備』オーム社、2012年。
  • 関電工『百万人の電気工事』オーム社、2021年。
  • 日本電設工業協会新電材要覧編さん委員会『新電材要覧』日本電設工業協会、1964年。