二フッ化二酸素の化学的特性と合成方法

📌 主なポイント
- ✓二フッ化二酸素の化学式は O2F2 で表され、常温では極めて不安定な物質である。
- ✓1933年に化学者のオットー・ルフらによって初めて合成された。
- ✓酸素原子が +1 という非常に珍しい酸化数をとる化合物の一つである。
- ✓極低温下においても強力な酸化剤として働き、様々な金属フッ化物や塩を生成する。
二フッ化二酸素(にふっかにさんそ、英: dioxygen difluoride)は、化学式が O2F2 と表される酸素のフッ化物である[3]。低温下では鮮やかなオレンジ色の固体として存在し、-163 °Cで融解して赤色の液体となる。極めて強力な酸化剤として知られ、極低温度の環境下であっても徐々に分解して酸素とフッ化物を生じる不安定な物質である[3]。

熱力学的に非常に不安定であり、-160 °Cという低温であっても1日に約4パーセントの割合で二フッ化酸素と酸素へ分解する性質を持つ。

合成方法
二フッ化二酸素は、1933年にドイツの化学者オットー・ルフ(Otto Ruff)によって初めて合成された[3]。初期の合成法では、低圧(7–17 mmHg)に調整されたフッ素ガスと酸素ガスの1:1混合物に、2.1–2.4 kVの電圧をかけて25–30 mAの電流で放電を行う手法が用いられた。
別の合成ルートとして、酸素ガスとフッ素ガスを -196 °C に冷却したステンレススチール管内で混合し、数時間にわたって3 MeVの制動放射線を照射する方法も研究されている。
分子構造と結合
二フッ化二酸素の分子中では、酸素原子は+1という極めて珍しい酸化状態をとっている。多くの一般的な化合物において、酸素は通常-2の酸化数をとるため、この点は特異である。



分子の幾何学的構造は、約90度の二面角を持つ過酸化水素(H2O2)の構造に類似しており、これは価電子殻電子対反発(VSEPR)則の予測と一致している。分子内の O-O 結合長は、通常の酸素分子(O2)中の二重結合の長さよりもわずかに長く、結合の性質についてはフッ素原子上の孤立電子対と O-O π結合の相互作用に基づく理論的考察がなされてきた[4]。
反応性
二フッ化二酸素の最大の特徴は、その極端なまでの強力な酸化力にある。反応の大部分は -100 °C 付近という極低温で行う必要があるにもかかわらず、多くの物質と激しく反応する。
例えば、三フッ化ホウ素(BF3)や五フッ化リン(PF5)と反応させることで、対応するジオキシゲニル塩を生成する反応が知られている。

さらに、ウランやプルトニウムの酸化物を対応する六フッ化物へと変化させる能力を持つことでも知られている。
よくある質問
二フッ化二酸素の外観や状態はどのようなものですか?
二フッ化二酸素はいつ誰によって発見されましたか?
二フッ化二酸素の酸素の酸化数はいくつですか?
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参考文献
- Kirshenbaum, A. D.; Grosse, A. V. (1959). “Ozone Fluoride or Trioxygen Difluoride, O3F2”. Journal of the American Chemical Society 81 (6): 1277. doi:10.1021/ja01515a003.
- Holleman, A. F.; Wiberg, E. (2001). Inorganic Chemistry. Academic Press. ISBN 0-12-352651-5.
- Ruff, O.; Mensel, W. (1933). “Neue Sauerstofffluoride: O2F2 und OF”. Zeitschrift für anorganische und allgemeine Chemie 211 (1-2): 204-208. doi:10.1002/zaac.19332110122.
- Bridgeman, A. J.; Rothery, J. (1999). “Bonding in mixed halogen and hydrogen peroxides”. Journal of the Chemical Society, Dalton Transactions (22): 4077-4082. doi:10.1039/a904968a.