化学
亜ジチオン酸の化学的性質と安定性に関する解説

硫黄のオキソ酸のひとつである亜ジチオン酸(次亜硫酸)の化学式、不安定な遊離酸の性質、理論計算に基づく安定性の評価、および塩の利用法について解説します。
📌 主なポイント
- ✓亜ジチオン酸の化学式はH2S2O4であり、別名を次亜硫酸ともよぶ。
- ✓遊離酸は極めて不安定であり単離することができない。
- ✓第一原理計算によると、HOS(=O)-S(=O)OHのC2対称構造が分子内水素結合により最も安定であると予想されている。
- ✓ナトリウム塩である亜ジチオン酸ナトリウムは、還元剤や漂白剤として無色の粉末が市販されている。
亜ジチオン酸(あジチオンさん、英: dithionous acid)は、硫黄のオキソ酸のひとつであり、化学式 H2S2O4 で表される化合物である。別名として次亜硫酸とも呼ばれる。

遊離酸の状態では極めて不安定であり、単離することができない。合成方法としては、二酸化硫黄の希薄溶液に鉄や亜鉛などの金属を加え、さらにナトリウムアマルガムを作用させることで得られる。

安定性の評価
第一原理計算を用いた亜ジチオン酸の安定性に関する研究では、分子式が H2S2O4 である分子のうち、HOS(=O)-S(=O)OH のC2対称構造が分子内水素結合により最も安定であると予想されている。一方で、O2SS(OH)2 の構造を最適化する過程においては、SO2 分子と S(OH)2 分子へと解離する結果が得られており、これが亜ジチオン酸の自発的な分解経路にあたるとされている。
塩および誘導体の利用
遊離酸自体は不安定であるものの、その塩には安定なものが存在する。ナトリウム塩である亜ジチオン酸ナトリウムは、無色の粉末として市販されており、還元剤や漂白剤として広く利用されている。また、有機化学の分野においては、ニトロ基をアミノ基に還元する反応などにも用いられている。
よくある質問
亜ジチオン酸の化学式は何ですか?
化学式は H2S2O4 です。
亜ジチオン酸の遊離酸は単離できますか?
遊離酸は極めて不安定であるため、単離することはできません。
亜ジチオン酸のナトリウム塩はどのような用途で使用されますか?
亜ジチオン酸ナトリウムは、還元剤や漂白剤として利用されるほか、有機合成におけるニトロ基のアミノ基への還元にも用いられます。
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参考文献
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Park, Kwanghee Koh; Oh, Chang Hun; Joung, Won Kyou (1993-11). “Sodium dithionite reduction of nitroarenes using viologen as an electron phase-transfer catalyst”. Tetrahedron Letters 34 (46): 7445–7446. doi:10.1016/S0040-4039(00)60148-X.
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