地理・河川

土器川:香川県を流れる唯一の一級河川の概要と特徴

土器川:香川県を流れる唯一の一級河川の概要と特徴
香川県を流れる唯一の一級河川「土器川」の地理、歴史、生態系、地域文化について詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • 土器川は香川県内において唯一指定されている一級河川である。
  • 流路延長は33km、流域面積は140平方キロメートルである。
  • 江戸時代初期、西嶋八兵衛によって現在の位置へ河口が付け替えられた。
  • 河底の砂礫への浸透や少雨の影響により、しばしば「瀬切れ」と呼ばれる断流現象が発生する。

土器川(どきがわ)は、香川県を流れる延長33km、流域面積140平方キロメートルの河川であり、同県内において唯一指定されている一級河川である。中流部では祓川(はらいかわ)とも呼ばれている。

2005年3月に撮影された土器川の様子
土器川 2005年3月撮影
名称の由来

かつて河口付近の川原や三角州で採取される粘土を利用し、土師器などの土器を専門に製造する人々が居住していたことに由来する。河口周辺には土器村(現在の丸亀市土器町など)という地名が生まれたことが、その名称の根拠とされている。

土器川周辺の地図情報
地図

地理と流路

讃岐山脈に属する標高1,059メートルの竜王山(香川県仲多度郡まんのう町勝浦)を水源とする。美霞洞温泉付近まで南西へ流れた後、北西方向へ転じ、まんのう町北東端部の祓川公園付近で北向きに流れを変える。その後は丸亀平野を北流し、丸亀市土器町北と丸亀市富士見町の境界から瀬戸内海へと注いでいる。

土器川の詳細な流域を示す地図
地図

河川改修の歴史

江戸時代初期まで、土器川の河口は現在の坂出市中心部にあたる鵜足郡川津村と阿野郡福江村の間へ流れ込んでいた。しかし、高松藩の奉行に就任した西嶋八兵衛が讃岐国各地で治水事業の一環として改修工事を行い、現在の流路および河口へと付け替えられた。また、1972年および1973年の夏に発生した干魃と高潮が重なる塩害を防止するため、下流域の河口部に潮止堰が建設された。

瀬切れと水文学的特徴

香川県は瀬戸内式気候に属し日本国内でも降雨が少ない地域であり、土器川流域の年間降水量は約1200mmにとどまる。降水は梅雨や台風の時期に集中するため平時の流量は元々少ない。さらに、河底に砂礫が堆積しているため河川水が浸透しやすく、しばしば川が途中で途切れて涸れ川となる瀬切れが発生する。この現象は上流部の飯野山付近でも見られることがある。地上表層の水が失われる一方で、地下には伏流水が流れており、周辺では古くから農業用水等として利用されてきた。

生物相

上流部ではアオサナエやゲンジボタル、コオニヤンマ、ムカシトンボなどの水棲昆虫が生息している。中下流域では砂礫の川原にヨモギなどが生育するほか、河口付近の汽水域には潮止堰があるものの、ハママツナやハマサジといった植生や、魚類、甲殻類、貝類などの多種多様な水棲生物が確認されている。

地域文化

河口近くの丸亀市土器町にある田潮八幡宮や吉岡神社の秋祭りでは、白装束の氏子らが神輿を担いだまま川に入る「水浴び神輿」と呼ばれる伝統行事が実施される。また、丸亀市の「土器川河川敷広場」やまんのう町の「土器川親水護岸」は、国土交通省の手づくり郷土賞を受賞している。

よくある質問

土器川の名前の由来は何ですか?
河口付近の川原や三角州で取れる粘土を利用して土師器などの土器を製造する人々が住んでおり、土器村という地名が生まれたことに由来するとされています。
土器川が「瀬切れ」を起こす原因は何ですか?
流域の年間降水量が約1200mmと少なく、降雨が特定の時期に集中することに加え、河底に堆積した砂礫に河川水が浸透しやすい地理的要因が重なるためです。
土器川の河口を現在の位置に付け替えた人物は誰ですか?
江戸時代初期に高松藩の奉行を務めた西嶋八兵衛が、治水事業の一環として河口の付け替えを行いました。

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参考文献

香川県丸亀市 『土器町まちづくり計画 2015』 / 国土交通省水管理・国土保全局 『日本の川 - 中国 - 土器川』 / 小倉紀雄、島谷幸宏、田一三 編集 『図説 日本の河川』 朝倉書店