言語学・教育学

読解の定義と読解力に関する現代的考察

文章を読み解き理解する行為である「読解」の概念や、国際的な学力調査における「読解力」の変遷と特徴について解説します。

📌 主なポイント

  • 読解とは、文章の言語表現や既有の知識を手がかりに、内容を解読して理解・解釈する行為である。
  • 日本の国語教育においては、従来「教材としての文章内容を正確に読み取る力」として読解力が捉えられることが多かった。
  • OECDのPISA調査における読解力(Reading Literacy)には、情報の抽出だけでなく、解釈や熟考、非連続型テキストの活用が含まれる。

読解(どっかい)とは、文章などに目を通し、そこに記されている内容や情報を正確に把握して理解する一連の行為を指す言葉である。

読解の概念

読解は、単に文字を音声化する作業ではなく、読者が書き手との間で共有される言語表現の規則や約束事(コード)を手がかりにする。さらに、読者自身の既有の知識、情報、そしてこれまでの経験を動員しながら、文章を解読し、意味を構築・解釈するプロセス全般として捉えられる。

読解力の多面性

読解力(どっかいりょく、英: reading comprehension)とは、一般に文章を読み解く能力を意味する。日本においては従来、学校教育の国語の授業などを背景として、「教材として提示された文章の内容を正確に読み取る」という意味合いで用いられることが多かった。

しかし、経済協力開発機構(OECD)による生徒の学習到達度調査(PISA)などの国際的な調査を通じて、読解力の定義や捉え方はより広範なものへと変化している。PISA調査における「読解力(Reading Literacy)」は、単にテキストに書かれた情報を抽出するにとどまらない。

  • テキストに書かれた情報を理解し、さらにそれを「解釈」し、「熟考」すること。
  • テキストを利用したり、自らの意見をテキストに基づいて論じたりすること。
  • 文章の内容のみならず、構造、形式、表現方法自体も評価の対象とすること。
  • 小説などの連続型テキストだけでなく、図表やグラフといった非連続型テキストを含めること。

こうした国際的な調査結果や評価基準の導入に伴い、教育現場における読解指導のあり方や、従来の伝統的な読解力との違いについての議論が続けられている。

よくある質問

読解とはどのような行為ですか?
文章表現のルールや読者の持つ知識・経験を手がかりにして、文章に内包された情報を解読し、理解・解釈する一連の行為を指します。
従来の読解力とPISA型読解力はどう違いますか?
従来の読解力は文章の内容を正確に読み取ることに重きを置いていましたが、PISA型読解力は情報の理解に加え、解釈、熟考、構造や形式の評価、さらには図表などの非連続型テキストの活用まで含んでいます。

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参考文献

文部科学省「読解力向上プログラム」(アーカイブ資料)