地球科学
流氷の科学と地域的特性

流氷の定義や形成メカニズム、オホーツク海における観測と観光資源としての側面、および関連する自然現象について解説します。
📌 主なポイント
- ✓流氷は海面を漂流する氷であり、岸に固定された定着氷とは区別される。
- ✓オホーツク海は北半球における流氷の南限である。
- ✓流氷は植物プランクトンを運搬し、海洋生態系の生産性を高める役割を果たす。
流氷(りゅうひょう、英: drift-ice)とは、海面を漂流する氷の総称です。海氷の一形態であり、岸に固定されている「定着氷」とは区別されます。広義には、河川から流出した氷や、氷河・氷山から崩落した氷が海を漂うものも含まれます。

オホーツク海の流氷
日本国内で流氷が観察される代表的な地域は、北海道北東部のオホーツク海沿岸です。オホーツク海は北半球における流氷の南限とされています。流氷はオホーツク海北岸で形成され、寒風と東樺太海流の影響を受けて南下します。

観測と用語
日本における流氷の観測では、以下の用語が用いられます。
- 流氷初日:そのシーズンに初めて流氷が確認された日。
- 流氷接岸初日:流氷が沿岸に接岸した日。海上自衛隊の哨戒機による観測も行われます。
- 海明け:沿岸の流氷面積が減少し、船舶の航行が可能になる時期。
- 流氷終日:沿岸から最後に流氷が確認された日。
生態系への影響
流氷には植物プランクトンが付着しており、春季の融解とともにこれらが放出されることで、動物プランクトンが増殖し、オホーツク海の豊かな漁場を支えています。また、アザラシの繁殖地や、オジロワシなどの渡り鳥の飛来地としても重要です。
観光と地域活動
北海道の網走市や紋別市では、砕氷船を用いた流氷観光が盛んです。また、ドライスーツを着用して流氷の上を歩く「流氷ウォーキング」や、流氷の下を潜るスクーバダイビングといったアクティビティも実施されています。

その他の地域
北米の五大湖から大西洋へ繋がるセントローレンス川でも流氷が観察されます。カナダのケベック市では、流氷をかき分けて進む「アイスカヌーレース」が冬の風物詩として知られています。
よくある質問
流氷と定着氷の違いは何ですか?
流氷は海面を漂流している氷を指しますが、定着氷は海岸や海底に固定されている氷を指します。
オホーツク海で流氷が見られる時期はいつですか?
例年、1月中旬から下旬にかけて流氷初日を迎え、その後接岸します。3月末頃まで見られることが一般的です。
流氷はなぜ漁場を豊かにするのですか?
流氷に付着した植物プランクトンが、春の融解とともに海中に放出され、それを餌とする動物プランクトンが増殖するためです。
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参考文献
- 文部省編『学術用語集 地理学編』日本学術振興会、1981年。
- 文部省、日本気象学会編『学術用語集 気象学編』日本学術振興会、1987年。
- 北海道立オホーツク流氷科学センター「流氷ってなに?-10の質問-」(2018年3月6日閲覧)。
- 朝日新聞「【津波が来る!】沿岸 流氷伴う被害懸念」2021年12月23日。