天文学
地球における月以外の衛星および関連天体の科学的考察

地球の自然衛星である月以外に、一時的に地球周回軌道に入ったミニムーンや準衛星、トロヤ群小惑星、および歴史上の仮説について解説します。
📌 主なポイント
- ✓2025年2月現在、恒常的な地球の自然衛星は月のみである。
- ✓一時的に地球の周回軌道に入った自然の小惑星は「ミニムーン」と呼ばれ、2006 RH120や2020 CD3などが確認されている。
- ✓準衛星やトロヤ群小惑星は、力学的中心が太陽にあるため真の衛星とは異なる。
地球を中心に公転する恒常的な自然衛星は月のみであるが、歴史上、様々な「第2の月」の存在が提唱されてきた。現代の観測技術によって、一時的に地球の周回軌道に入った小惑星や、衛星のように振る舞う天体が確認されている。

一時的な自然衛星(ミニムーン)
一時的に地球の重力圏に捉えられ、地球の周回軌道に入った自然の天体は「ミニムーン」と呼ばれる。これまでに実際に観測・確認された例として、直径3mから6mの小惑星2006 RH120や、直径約1mから1.5mと推測される2020 CD3がある。また、アルジュナ群の小惑星である2024 PT5は、2024年9月29日から11月25日まで地球の周囲を周回することが判明しており、月の破片である可能性が指摘されている。



準衛星およびトロヤ群小惑星
地球の周回軌道と類似した軌道を持ち、地球から見るとまるで衛星のように周回しているように見える天体は「準衛星」と呼ばれる。これらは力学的中心を太陽に置いているため真の衛星とは異なるが、クルースンやカモオアレワなどが知られている。また、ラグランジュ点(L4)に存在する2010 TK7のようなトロヤ群小惑星も確認されている。



歴史上の仮説および否定された主張
19世紀には、フレデリック・プティやゲオルク・ヴァルテマットらが地球の第2、第3の衛星の存在を主張したが、その後の観測技術の向上により、いずれも誤認や観測ミスであることが判明し否定されている。
よくある質問
地球に月以外の衛星は存在しますか?
恒常的に存在する自然衛星は月のみですが、一時的に地球の重力圏に捉えられる「ミニムーン」と呼ばれる小惑星が観測された事例があります。
ミニムーンとは何ですか?
小惑星のうち、一時的に地球の周回軌道に入り、地球の自然衛星のように振る舞う天体のことです。
準衛星は本当の衛星ですか?
いいえ、準衛星の力学的中心は太陽にあって地球を周回しているわけではないため、真の衛星とは異なります。
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参考文献
彩恵りり (2025年2月8日). ““第2の月” だった小惑星「2024 PT5」が、本当に月の破片であると判明”. sorae.
松村武宏 (2020年11月24日). “2020年前半に地球を離れたミニムーン「2020 CD3」が天然の天体であることを確認”. sorae.