天文学

地球照:月の暗部を照らす地球の反射光

地球照:月の暗部を照らす地球の反射光
地球照(ちきゅうしょう)は、地球で反射した太陽光が月の暗い部分を照らし出す天文現象です。その原理、観察に適した時期、および科学的な背景について解説します。

📌 主なポイント

  • 地球照は、地球で反射した太陽光が月の暗部を照らすことで発生する。
  • 観察には月齢27から3前後の三日月付近が最も適している。
  • 月から見た「満地球」は、地球から見た満月よりも約70倍明るい。

地球照(ちきゅうしょう、英語: earthshine)とは、月の欠けている暗い部分が、地球で反射した太陽光によってうっすらと照らされ、肉眼や望遠鏡で確認できる現象を指します。英語圏では、この現象を「新しい月に抱かれた古い月(the old moon in the new moon's arms)」と表現する慣用句があります。

地球照
地球照

原理

地球照は、太陽から届いた光が地球の大気や地表で反射し、その光がさらに月面を照らすことで発生します。月面で反射した光が再び地球に届くことで、私たちは月の暗い部分を視認することができます。

地球照の原理
地球照の原理

月のアルベド(反射能)は約7%と低いですが、地球は面積が月より約13.5倍大きく、雲や氷雪による高い反射率(アルベド約37%)を持つため、月から見た「満地球」は、地球から見た満月よりも約70倍明るいとされています。

観察

地球照を肉眼で確認しやすいのは、月齢27から3(三日月)前後の時期です。この期間は、月から見て地球が「満地球」に近い状態となり、反射光が強まる一方で、月自体の輝いている部分が小さいため、眩しさに妨げられずに淡い光を捉えることができます。

上弦に近い頃の地球照
上弦に近い頃の地球照

日本では、冬の夕方に空気が乾燥して透明度が高まるため、観察に適しています。逆に、月が半月より大きくなると、月の輝面が眩しくなるため、肉眼での観察は困難になります。ただし、望遠鏡を使用して明るい部分を視野外に追い出すか、長時間露光による撮影を行うことで観察が可能です。

半月より大きい月の地球照(下弦前)
半月より大きい月の地球照(下弦前)

惑星照(Planetshine)

地球・月系以外でも、惑星表面で反射した太陽光がその衛星の影の部分を照らす現象は「惑星照(planetshine)」と呼ばれます。これは天文学において、惑星や衛星の反射特性を理解するための一般的な概念として扱われます。

よくある質問

地球照はいつ観察できますか?
新月を挟む月齢27から3前後の時期が最も観察に適しています。特に空気が澄んでいる冬の夕方が好条件です。
なぜ満月の時には地球照が見えにくいのですか?
月の輝いている部分が非常に明るいため、地球照のような淡い光が目立たなくなることと、月から見た地球が欠けており反射光が弱まるためです。
皆既日食の時に地球照は見られますか?
はい、皆既日食の際には太陽面が隠れるため、月面全体を照らす地球照を観察することが可能です。

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参考文献

  • 国立天文台:皆既日食時の地球照
  • 天文学辞典:地球照