北欧文学
北欧神話の文献群「エッダ」

北欧神話の伝承を伝える重要な文献群「エッダ」について解説。スノッリのエッダと古エッダの成立背景や特徴を詳述します。
📌 主なポイント
- ✓エッダは主に『スノッリのエッダ』と『古エッダ』の二つの文献群を指す。
- ✓『スノッリのエッダ』は1220年頃、詩人スノッリ・ストゥルルソンによって編纂された。
- ✓『古エッダ』は1643年に発見された『王の写本』に記されていた古歌謡集である。
- ✓『古エッダ』の詩の成立は9世紀から13世紀の間と推定されている。
エッダ(Edda)は、中世アイスランドで成立した北欧神話や英雄伝説を伝える重要な文献群の総称である。主に、スノッリ・ストゥルルソンによって編纂された『スノッリのエッダ』と、古歌謡集である『古エッダ』の二つを指す。

スノッリのエッダ
『スノッリのエッダ』(別名:散文のエッダ、新エッダ)は、アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンが1220年頃に著した書物である。本来「エッダ」という名称はこの書物を指すものであった。北欧神話の体系的な記述や、詩作のための技法を解説した教本としての性格を持ち、北欧神話研究における最も重要な資料の一つとされている。
古エッダ
『古エッダ』(別名:詩のエッダ)は、1643年にブリュニョールヴル・スヴェインスソンによって発見された古写本『王の写本』に収められていた古歌謡集である。個々の詩の成立時期は9世紀から13世紀にわたると考えられており、編纂は1270年以前と推定されている。
かつては『スノッリのエッダ』の元になった文献であると考えられ「古エッダ」と称されるようになったが、実際にはスノッリの著作とは独立した編纂物である。また、発見当初はセームンドル・シグフースソンが作者であると誤認され「セームンドルのエッダ」とも呼ばれていた。
小エッダ
『王の写本』以外の写本やサガの中に残されていた、古エッダと同形式の詩群は「小エッダ」と総称される。これらは現代の刊本において『古エッダ』の一部として統合・刊行されることが多い。
よくある質問
スノッリのエッダと古エッダの違いは何ですか?
スノッリのエッダは13世紀にスノッリ・ストゥルルソンが編纂した散文による神話解説書であり、古エッダはそれ以前から伝承されていた詩を集めた歌謡集です。
なぜ「古エッダ」と呼ばれるのですか?
スノッリのエッダに引用されている詩が多く含まれていたため、スノッリのエッダよりも古い時代の元本であると誤解され、古エッダ(Elder Edda)という名称が定着しました。
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参考文献
- 谷口幸男『エッダ - 古代北欧歌謡集』新潮社、1973年。
- 日本大百科全書(ニッポニカ)「エッダ」の項(小学館)。
- 世界大百科事典 第2版「エッダ」の項(平凡社)。