建築・土木

営繕:建築物の建設と修繕に関する概念

営繕(えいぜん)の定義、歴史的背景、および現代における官庁営繕の役割について解説します。建築物の新築・増改築・修繕を一括して指す用語です。

📌 主なポイント

  • 営繕は「営造(建設)」と「修繕」を合わせた言葉である。
  • 日本では大宝律令の時代から行政用語として使用されている。
  • 現代の官庁営繕は、主に国土交通省が国関連施設の整備や保全を担っている。

営繕(えいぜん)とは、建築物の「営造(建設)」と「修繕」を合わせた概念を指す用語である。具体的には、建築物の新築、増築、改築、模様替え、および修繕工事などを包括的に指す言葉として用いられる。

歴史的背景

「営繕」という語は古くから存在し、中国の春秋戦国時代にはすでに使用されていた記録がある。日本においては、701年に制定された大宝律令において「営繕令」などの形で登場する。当時の営繕は、現在のような建築物のみならず、道路や橋梁といった土木工事、さらには船舶の建造や修繕までを含む広範な意味で用いられていた。当時の行政組織には、これらを司る職として「造営職」や「木工寮」が置かれていた。

明治時代初期には、諸官庁の建築工事を担当する役所として「営繕司」が設置された。例えば、1869年(明治2年)の法令全書には、社寺の営繕に関する記述が見られるほか、当時の会計官の下に置かれた七司の一つとして営繕司が数えられている。

官庁営繕

現代の行政における「官庁営繕」とは、国土交通省の営繕部などが主導する、国が所有する事務庁舎や国家機関の建築物、およびその附帯施設の整備に関する業務を指す。これには、官公庁施設の建設、保全指導、および監督が含まれる。

戦前および戦後の時期、公共建築の設計は各省庁に設置された営繕課が担っており、逓信省営繕課などは多くの著名な建築家を輩出した。しかし、近年では公共建築の設計における標準化や外部委託が進み、役割分担が変化している。

関連用語

  • 営繕費:建築物の新築や修繕に要する費用のこと。明治時代の法令(官国幣社会計規則など)にもその名称が見られる。
  • 営繕工事:建物の新改築や修繕工事の総称。公共工事の文脈では、土木工事以外の建築工事を指すことが多い。

よくある質問

営繕とは具体的にどのような業務を指しますか?
建築物の新築、増築、改築、模様替え、および修繕工事の計画から発注、監理までを一括して指します。
官庁営繕の主な役割は何ですか?
国が所有する事務庁舎や国家機関の建築物、および附帯施設の建設、保全指導、監督を行うことです。

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参考文献

  • 国土交通省中部地方整備局営繕部「営繕とは」
  • 国土交通省「官庁営繕」
  • 龔伶俐「元代の営繕関係の法令の検討」『日本建築学会計画系論文集』2013年
  • 『改正増補和英語林集成』1886年