物理学

電束:電磁気学における物理量の定義と性質

電束:電磁気学における物理量の定義と性質
電磁気学における物理量「電束」の定義、電束密度との関係、およびガウスの法則における役割について解説します。

📌 主なポイント

  • ✓電束は電束密度の流束として定義される物理量である。
  • ✓国際単位系(SI)における電束の単位はクーロン(C)である。
  • ✓閉曲面を貫く電束の総量は、その内部に含まれる電荷量に等しい(ガウスの法則)。

電束(でんそく)は、電磁気学において電束密度の流束として定義される物理量です。電束密度ベクトルを D(r)、ある面 S の面素ベクトルを dS とすると、面 S を貫く電束 ΦE は以下の積分で表されます。

電束の積分定義
電束 ΦE の定義式

国際単位系(SI)において、電束の単位は電荷と同じクーロン(C)です。電束密度の単位は C/m2 であり、その次元は電荷 Q と長さ L を用いて QL-2(または ITL-2)と表されます。

電束密度との関係

点電荷 q が存在する場合、その周囲には電荷から湧き出す物理量として電束が考えられます。この空間的な広がりを記述するベクトル場が電束密度です。点電荷 q を原点に置いた場合、距離 r における電束密度 D(r) は、動径方向の単位ベクトル er を用いて以下のように記述されます。

点電荷による電束密度の式
点電荷による電束密度の定義

この式から、電束密度の大きさは距離の2乗に反比例することがわかります。これは、点から等方的に広がる量が、距離 r における球表面(面積 4πr2)に分布することに対応しています。

閉曲面とガウスの法則

電束はガウスの法則と密接に関連しています。点電荷 q を内部に含む閉曲面 S を貫く電束の総量は、その電荷量 q に等しくなります。一方で、点電荷が閉曲面の外部にある場合、閉曲面を貫く電束の総和はゼロとなります。

閉曲面を貫く電束のガウスの法則
閉曲面内部に電荷がある場合のガウスの法則

この性質により、例えば 1 C の点電荷を囲む閉曲面を貫く電束の総量は 1 C と定義されます。

よくある質問

電束の単位は何ですか?
国際単位系(SI)において、電束の単位は電荷と同じクーロン(C)です。
電束密度と電束の違いは何ですか?
電束密度は空間の各点におけるベクトル場であり、電束はその電束密度をある面全体で積分した流束(スカラー量)です。
閉曲面の外側に電荷がある場合、電束はどうなりますか?
閉曲面の外部に電荷がある場合、その閉曲面を貫く電束の総量はゼロとなります。

関連記事

電束密度電場ガウスの法則磁束マクスウェルの方程式

参考文献

兵頭俊夫『電磁気学』裳華房、1999年、35–38頁。ISBN 978-4-7853-2089-8。