エネルギー(物理学)

📌 主なポイント
- ✓エネルギーは物体が仕事をすることのできる能力の総称である。
- ✓国際単位系(SI)におけるエネルギーの単位はジュール(J)である。
- ✓エネルギー保存の法則は、19世紀に熱力学の第一法則として確立された。
- ✓「エネルギー」という用語は、1807年にトマス・ヤングが提案した。
物理学においてエネルギー(英: energy)とは、物体や系が持つ「仕事をすることのできる能力」の総称です。エネルギーはスカラー量であり、国際単位系(SI)における単位はジュール(記号:J)が用いられます。
エネルギーの単位
国際単位系(SI)では、エネルギー、仕事、熱量の単位としてジュール(J)が定められています。日本の計量法においても、これらは法定計量単位として規定されています。
なお、栄養学や食品分野においては例外的にカロリー(cal)の使用が認められていますが、国際単位系ではジュールへの換算が推奨されています。
語源
「エネルギー」という用語は、1807年にトマス・ヤングが著書『自然哲学講義』の中で、ラテン語の「vis(力)」の代わりとして提案したことに由来します。語源はギリシア語の「energeia(エネルゲイア)」であり、「en(内部に)」と「ergon(仕事)」を組み合わせた言葉で、「物体内部に蓄えられた仕事をする能力」を意味しています。
歴史的背景
エネルギーの概念は、17世紀から19世紀にかけての「活力論争」を経て発展しました。デカルトは物体の重さと速さの積(mv)を保存量と主張しましたが、ライプニッツは重さと速さの二乗の積(mv²)を「活力(vis viva)」と呼び、これが保存されると主張しました。後にガスパール=ギュスターヴ・コリオリが、現在の運動エネルギーの定義である mv²/2 を導き出しました。
19世紀には、ロベルト・マイヤーやジェームズ・プレスコット・ジュールらによってエネルギー保存の法則が提唱され、ヘルマン・フォン・ヘルムホルツやルドルフ・クラウジウスらにより熱力学の第一法則として定式化されました。
熱力学と古典力学における役割
熱力学においてエネルギーは、系が仕事として取り出せる能力を評価する指標となります。ヘルムホルツの自由エネルギーやギブズの自由エネルギーは、系が外部に行う仕事の最大値を示す熱力学ポテンシャルとして重要です。また、工学分野では、有効エネルギーを評価する「エクセルギー」という概念も用いられます。
古典力学においては、エネルギーは運動エネルギーと位置エネルギーの和として記述され、保存則は系の運動を解析する上で中心的な役割を果たします。
よくある質問
エネルギーの単位は何ですか?
エネルギーの語源は何ですか?
エネルギー保存の法則とは何ですか?
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参考文献
- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター『国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版』
- 八坂保能編著『電気エネルギー工学 新装版 発電から送配電まで』森北出版、2017年
- 砂川重信『理論電磁気学』紀伊國屋書店、1987年