教育

入学試験の制度と歴史的変遷

入学試験の制度と歴史的変遷
入学試験の定義、歴史的背景、日本および各国の選抜制度、さらに近年の出題・採点ミスに関する事例を解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 入学試験は、教育を受けるのに必要な学力や適性を確認し、定員を超える志願者を選抜するために実施される。
  • 「入学試験」という言葉は明治時代の初頭以降に形成された和製漢語であり、1894年の尋常中学校規定によって学力基準の選抜として定着した。
  • 義務教育期間の公立学校では原則として課されないが、中等教育段階や高等教育機関では広く実施されている。
  • 国公私立の各学校や大学の入試においては、過去に複数回の出題ミスや採点ミスが発覚し、追加合格の対応がなされた事例が存在する。

入学試験(にゅうがくしけん)とは、学校への入学志願者の中から、教育を受けるために必要な学力や適性を有している者を判断し、入学を許可すべき者を決定するために実施される試験である。一般には「入試」と略される。

用語の歴史と展開

入学試験」という言葉は、明治時代初期に形成された和製漢語である。制度としての選抜は明治初頭から存在したが、当時は人数制限よりも公費支給や専門科目教授のための適性検査としての意味合いが強く、「試業」「試検」「試考」などの多様な表現が用いられていた。明治5年(1872年)に発布された学制においても、当初は学費給付決定のための試験が規定されていた。

その後、1894年(明治27年)の尋常中学校規定において、定員を超える志願者に対して学力を基準に入学試験で選抜することが定められた。これにより、成績上位者から順に合格者を決定する方式が中等教育以上の段階で定着していった。なお、英語では一般に「entrance examination」と称され、「entrance exam」と略されることも多い。

試験の種類と実施形態

入学試験は、通常の初学年の始期に合わせる新入学のほか、途中年次からの「編入学試験」や「転入学試験」、一部の大学等で実施される「飛び入学試験」などが存在する。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学などのあらゆる教育段階で実施されているが、義務教育の公立学校では原則として課されないことが多い。

また、日本国内では、学力試験を課す一般的な選抜のほかに、歴史的には第二次世界大戦中の旧制中等学校において体力や精神力を重視した試験が行われた事例もある。現代においては、面接や多様な評価基準を取り入れた推薦入試やAO入試などが導入されている。

近年の入試における課題

高等学校や大学の入学試験においては、出題内容や採点の過程でミスが発覚する事例が複数報告されている。過去には、山形大学、大阪大学、京都大学、東京工業大学、金沢医科大学、九州大学、富山大学などの国公私立大学や、各地の公立高等学校において採点ミスや出題ミスが判明し、大学側が追加合格者の発表や検証を行う事態が生じている。

よくある質問

入学試験とは何ですか?
学校への入学志願者の中から、教育を受けるのに必要な学力や適性を有しているかを確認し、入学を許可すべき者を決定するための試験です。
「入学試験」という言葉はいつ頃から使われていますか?
明治時代の初頭から実態としての選抜試験が存在し、1894年の尋常中学校規定で学力を基準とした選抜が定められて以降、広く用いられるようになりました。
義務教育の学校でも入学試験はありますか?
多くの国や地域の義務教育における公立学校では原則として入学試験は課されませんが、高等学校や大学、一部の私立中学校などでは実施されています。

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参考文献

  • 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』コトバンク
  • 小学館『デジタル大辞泉』コトバンク
  • 三省堂『大辞林』コトバンク
  • 日立デジタル平凡社『世界大百科事典』第2版