国際条約

環境改変技術敵対的使用禁止条約

環境改変技術敵対的使用禁止条約
環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約(ENMOD)の概要、目的、および国際的な法的枠組みについて解説します。

📌 主なポイント

  • 1976年12月10日に国連総会で採択され、1978年10月5日に発効した。
  • 地震や台風の進路変更など、自然現象を軍事利用することを禁止している。
  • 平和的な目的のための環境改変技術の使用は本条約の対象外である。
  • 日本は1982年6月に本条約に加入した。

環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約(英: Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques、略称:ENMOD)は、自然界の諸現象を意図的に改変し、それを軍事的または敵対的な目的で利用することを禁止する国際条約です。1976年12月10日の国連総会で採択され、1978年10月5日に発効しました。

条約の目的と定義

本条約は、地震、津波、台風の進路変更など、自然のプロセスを操作して破壊や損害を引き起こす技術の軍事利用を制限することを目的としています。条約第2条では「環境改変技術」を、自然の作用を意図的に操作することにより、地球(生物相、岩石圏、水圏、気圏)や宇宙空間の構造、組成、運動に変更を加える技術と定義しています。

主な規定

第1条では、締約国に対し、広範、長期的、または深刻な効果をもたらす環境改変技術の軍事的使用を禁止しています。一方で、第3条は、平和的な目的のための技術利用を妨げるものではないと明記しており、気象制御などの平和的利用と軍事的利用を明確に区別しています。また、違反の疑いがある場合には、国連安全保障理事会への苦情申し立て手続きが第5条に規定されています。

締約国の義務

締約国は、自国の管轄下にある場所において、条約に違反する活動を防止するための措置を講じる義務を負います。日本は1982年に本条約に加入しました。本条約は無期限の有効期間を持ち、国際的な軍備管理措置の一環として機能しています。

よくある質問

この条約はどのような技術を禁止していますか?
地震、津波、台風の進路変更など、自然のプロセスを意図的に操作し、破壊や損害を引き起こす軍事的な技術利用を禁止しています。
平和的な気象制御も禁止されますか?
いいえ、第3条により、平和的な目的のための環境改変技術の使用は妨げられないと規定されています。
条約に違反した場合の罰則はありますか?
本条約自体には直接的な罰則規定はありませんが、違反の疑いがある場合には国連安全保障理事会へ苦情を申し立てる手続きが定められています。

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参考文献

  • 外務省「わが外交の近況・上巻1977年版(第21号)」(1977年)
  • United Nations Treaty Collection, "Convention on the prohibition of military or any other hostile use of environmental modification techniques"
  • The United Nations Office at Geneva (UNOG), "Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques (ENMOD)"