数学
数学における極値の概念と判定法

数学の実解析における極値(極大値・極小値)の定義、停留点との関係、およびヘッセ行列を用いた判定法について解説します。
📌 主なポイント
- ✓極値は極大値と極小値の総称である。
- ✓微分可能な関数において、極値をとる点は必ず停留点(勾配が0の点)となる。
- ✓2回微分可能な関数では、ヘッセ行列の定符号性を用いて極値の判定が可能である。
数学の実解析において、極値(きょくち、英: extremum)とは、ある関数がその定義域内の局所的な範囲においてとる最大値および最小値の総称です。極値には、局所的な最大値である極大値(local maximum)と、局所的な最小値である極小値(local minimum)が含まれます。これらを求める問題は一般に極値問題と呼ばれます。
定義
n次元ユークリッド空間の開集合U上で定義された実数値関数fに対し、点pの近傍においてf(p)がその範囲内の最小値であるとき、f(p)を極小値、点pを極小点と呼びます。同様に、点pの近傍においてf(p)が最大値であるとき、f(p)を極大値、点pを極大点と呼びます。

また、近傍内の他の点qに対して常にf(p) < f(q)(またはf(p) > f(q))が成り立つ場合、それぞれ狭義の極小値、狭義の極大値と呼びます。
停留点と必要条件
関数fが微分可能である場合、勾配ベクトル∇f(p)が零ベクトルとなる点pを停留点(または臨界点)と呼びます。微分可能な関数が極値をとるためには、その点が停留点であることが必要条件となります。


極値の判定法
関数が2回連続微分可能である場合、ヘッセ行列を用いて極値の判定を行うことができます。これを「二階微分判定法」と呼ぶこともあります。

停留点pにおけるヘッセ行列が正定値であればその点は極小点、負定値であれば極大点となります。不定符号である場合は極値をとらず、鞍点(あんてん)と呼ばれます。


よくある質問
停留点と極値点は同じですか?
いいえ、異なります。すべての極値点は停留点ですが、すべての停留点が極値点であるとは限りません(例:x^3の原点)。
ヘッセ行列が不定符号の場合、その点は何と呼ばれますか?
その点は鞍点(あんてん)と呼ばれ、極値ではありません。
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参考文献
- ヨスト, ユルゲン. 『ポストモダン解析学』. シュプリンガー, 2000年.
- “Maximum and minimum points”, Encyclopedia of Mathematics, EMS Press, 2001.