コロンビア革命軍(FARC)の歴史と変遷

📌 主なポイント
- ✓1964年に結成され、マルクス・レーニン主義に基づく社会主義革命を目指した。
- ✓麻薬取引や誘拐を資金源とし、最盛期にはコロンビア国土の約3分の1を支配した。
- ✓2016年の和平合意により武装解除し、合法政党「コムネス」へ移行した。
コロンビア革命軍(スペイン語: Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia、略称:FARC)は、かつてコロンビアを拠点に活動していたマルクス・レーニン主義を掲げる反政府武装組織である。1964年に結成され、半世紀以上にわたりコロンビア政府軍と内戦を繰り広げた。2016年の和平合意を経て武装解除し、現在は合法政党「コムネス(Comunes)」として政治活動を行っている。
結成と背景
FARCは、1964年5月27日に自由党系の武装農民運動から派生する形で結成された。当時のコロンビアは、保守党と自由党による二大政党制が支配的であり、農民や貧困層の政治参加が阻害されていた。キューバ革命の影響を受け、マヌエル・マルランダを最高司令官として、寡頭制の打倒、農地改革、富の再分配を目的とした社会主義革命政権の樹立を掲げた。
勢力の拡大と資金源
1980年代以降、FARCは麻薬密売組織と協力関係を築き、コカインの生産や密輸ルートの保護を通じて莫大な資金を獲得した。この資金力により、政府軍を凌駕する兵器を調達し、一時はコロンビア国土の約3分の1を実効支配するまでに勢力を拡大した。活動資金の獲得手段には、住民からの徴税や企業恐喝、そして外国人を含む要人の誘拐が含まれていた。
和平交渉と武装解除
1990年代から2000年代にかけて、政府との間で断続的に和平交渉が行われたが、誘拐事件や武力衝突により交渉はたびたび決裂した。2002年に就任したアルバロ・ウリベ大統領は強硬路線をとり、軍事作戦によってFARCを追い詰めた。その後、フアン・マヌエル・サントス政権下で交渉が本格化し、2016年11月24日に政府とFARCの間で最終的な和平合意が調印された。
2017年6月、国連の監視下でFARCの武装解除が完了し、半世紀にわたる内戦は事実上終結した。同年9月、FARCは合法政党「人民革命代替勢力」を設立し、2021年には「コムネス」へと改称した。現在、同党は和平合意に基づき議会に議席を有しているが、元ゲリラに対する社会の不信感や、一部の元幹部による武装闘争への復帰など、完全な社会復帰と安定には依然として課題が残されている。
よくある質問
FARCは現在も武装組織として活動していますか?
FARCの主な資金源は何でしたか?
和平合意はどのようにして成立しましたか?
関連記事
参考文献
- 公安調査庁『国際テロリズム要覧2021』
- 日本経済新聞「コロンビア、停戦で合意 政府と左翼ゲリラFARC」(2016年6月23日)
- 時事ドットコム「左翼ゲリラ、武装解除完了=和平で大きな進展-コロンビア」(2017年6月27日)