地球科学

地質学における断層の基礎知識と分類

地質学における断層の基礎知識と分類
地殻の岩盤に力が加わって割れ、食い違いが生じた現象である断層について、成因や動きによる分類、すべり速度ごとの特徴をわかりやすく解説します。

📌 主なポイント

  • 断層とは、地層や岩盤が割れて、その面に沿ってずれ動き食い違いが生じた状態である。
  • 断層を形成する直接的な力として働くのはせん断応力である。
  • 水平方向の引張応力によって正断層が、圧縮応力によって逆断層が形成される。
  • 地震時に地上に出現した連続した割れ目やずれは、地震断層(地表地震断層)と呼ばれる。

断層(だんそう、英語: fault)とは、地層もしくは岩盤に力が加わって破壊され、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態を指す。断層がずれ動く現象を断層運動(faulting)と呼び、食い違いが生じた面そのものは断層面(fault surface)と称される。

なお、侵食や堆積環境の変化、火山活動による噴出・堆積などによってできた地層の境界は、一見すると食い違っているように見える場合があるが、ずれ動いたわけではないため断層とは区別され、不整合や非整合などと呼ばれる。

成因

地殻を形成する岩盤には、マントル対流によるプレートの移動や衝突、火山活動など様々な要因によって、圧縮や引っ張り、ずれ(せん断)などの力が加わる。地下の岩盤を破壊しずらして動かす力として直接働くのはせん断応力であり、これが岩盤の強度を上回ったときに岩盤が割れて断層が生じる。

砂丘や泥など粒子同士の結び付きが弱い地盤では、応力が加わっても一時的な変形に使われて減衰するためせん断破壊が起きず、断層は形成されない。ある程度固まった強度のある地盤において断層が形成される。

動きによる分類

断層は、断層を境にしたそれぞれの動きや、その他の特徴によって細かく分類される。

縦ずれ断層

正断層と逆断層の総称である。乗り上げている側を上盤、乗り上げられている側を下盤と呼ぶ。

  • 正断層:水平方向に引張応力がかかっている場所に存在する。地下に斜めに入った割れ目を境に、片方が他方の上をすべり落ちるような方向で動いてできた断層である。
  • 逆断層:水平方向に圧縮応力がかかっている場所に存在する。左右からの圧縮応力を逃がすために破断面ができ、片方が斜め下へ、もう一方が相手にのしかかるように斜め上へ動いた形で生成される。

横ずれ断層

走向移動断層とも呼ばれ、剪断応力が水平方向に働いた断層である。ずれの方向によって右ずれ断層と左ずれ断層に区分される。また、プレート境界において互いがすれ違う方向へ動く横ずれ断層は、トランスフォーム断層と呼ばれる。

その他の特徴による分類

断層はその発生状況や活動の様子によって多様な名称で呼ばれる。

  • 震源断層地震を引き起こした断層のこと。
  • 地震断層:地震時に地上に出現した連続した割れ目やずれのこと。地表地震断層とも呼ばれる。
  • 伏在断層:断層運動によるずれが地下深部でのみ生じたり、ずれた後に急激に土砂で埋められたりして、地表では確認されない断層。
  • 構造線:断層を境に地質が大きく異なる、通常の断層よりも長い傾向にある断層。

すべり速度による分類

地球における断層破壊は、すべり速度や時間スケールによって不安定すべりと安定すべりに大別され、地震、スロー地震、低周波地震、スロースリップなどが含まれる。

よくある質問

断層と不整合の違いは何ですか?
断層は地層や岩盤が割れて実際にずれ動いたものであるのに対し、不整合は侵食や堆積環境の変化などによってできた地層の境界であり、ずれ動いたものではないため区別されます。
正断層と逆断層はどのように違いますか?
正断層は水平方向の引張応力が働く場所で片方がすべり落ちるように動き、逆断層は圧縮応力が働く場所で片方が相手にのしかかるように斜め上へ動いて形成されます。
伏在断層とはどのような断層ですか?
伏在断層とは、ずれが地下深部でのみ生じたり、土砂で埋められたりしたことによって、地表では確認されない断層のことです。

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参考文献

  • 「新潟県中越地震にみる変動地形学の地震解明・地震防災への貢献-地表地震断層認定の本質的意義-」『E-journal GEO』第1巻第1号、2006年、30-41頁。
  • “熊本地震で新発見「おつきあい断層」とは”. JNN Project (2018年4月12日). 2018年5月25日閲覧。
  • “活断層とは何か | 国土地理院”. www.gsi.go.jp. 2021年3月20日閲覧。
  • “活断層”. 地震本部. 2021年3月20日閲覧。