鉱物学

長石グループ:地殻を構成する主要な造岩鉱物

長石グループ:地殻を構成する主要な造岩鉱物
長石(ちょうせき)は、地殻の大部分を占める重要な造岩鉱物グループです。その化学組成、分類、および地質学的な重要性について解説します。

📌 主なポイント

  • 長石は地殻中で最も存在量の多い造岩鉱物グループである。
  • 化学組成によりアルカリ長石と斜長石の二大グループに大別される。
  • モース硬度は6から6.5の範囲にあり、多くの岩石の主成分となっている。

長石(ちょうせき、英: feldspar)は、地殻中に最も豊富に存在する鉱物グループであり、火成岩、変成岩、堆積岩など、地球上のほとんどの岩石を構成する主要な造岩鉱物です。化学的にはアルカリ金属やアルカリ土類金属を含むアルミノケイ酸塩であり、三次元構造を持つテクトケイ酸塩に分類されます。

正長石
正長石

長石は地殻の大部分を占め、特に花崗岩には約60%、玄武岩には約50%の割合で含まれています。一般的な物理的特性として、モース硬度は6から6.5、比重は2.5から2.7の範囲にあります。色は白色や無色が多いものの、不純物や結晶構造により多様な色調を呈するものもあります。

化学組成と分類

長石の一般式は (Na,K,Ca,Ba)(Si,Al)4O8 で表されます。主要な成分系は、カリ長石(KAlSi3O8)、曹長石(NaAlSi3O8)、灰長石(CaAl2Si2O8)の3成分系に基づいています。

アルカリ長石グループ

カリウムに富む長石のグループであり、主に花崗岩などの深成岩や変成岩に含まれます。代表的な鉱物には正長石や微斜長石が含まれます。火山岩のように高温で急速に冷却された環境では、サニディンやアノーソクレースとして産出することがあります。

微斜長石(マイクロクリン)
微斜長石(マイクロクリン)

斜長石グループ

ナトリウムを含む曹長石とカルシウムを含む灰長石の固溶体系列です。玄武岩などに多く含まれます。かつては組成比に応じて細かく分類されていましたが、現在は固溶体の連続的な性質に基づき、曹長石から灰長石までの範囲として扱われます。

曹長石(アルバイト)
曹長石(アルバイト)

関連する鉱物

マグマ中の二酸化ケイ素が不足している環境では、長石の代わりに霞石(ネフェリン)などの準長石が生成されます。また、長石グループにはバリウムやストロンチウムを含む重土長石や、アンモニウム長石といった特殊な組成を持つものも存在します。

日長石(サンストーン)
日長石(サンストーン)

よくある質問

長石はどのような岩石に含まれていますか?
火成岩、変成岩、堆積岩など、地球上のほとんどの岩石に含まれています。特に花崗岩や玄武岩の主要な構成成分です。
アルカリ長石と斜長石の違いは何ですか?
アルカリ長石は主にカリウムやナトリウムを含み、花崗岩などに多く見られます。一方、斜長石はナトリウムとカルシウムの固溶体であり、玄武岩などに多く見られます。
漢方で使われる「長石」とは何ですか?
漢方や伝統的な薬石の文脈で言及される「長石」は、鉱物学的な長石とは異なり、主に硬石膏を指す場合があります。

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鉱物ケイ酸塩鉱物火成岩花崗岩玄武岩

参考文献

  • 松原聰『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』学習研究社、2003年、234頁。
  • E.H. Nickel, "Solid solutions in mineral nomenclature", Canadian Mineralogist, Vol. 30, pp. 231-234, 1992.
  • 本間久英、中田正隆、新井利枝「薬石に関する資料」『東京学芸大学紀要』第48巻、1996年、63-78頁。