医学・生理学
視野の構造と医学的測定法

医学的な視野の定義、人間の視覚範囲、測定方法、および視野障害について解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓視野とは、片目でまっすぐ前方を見つめた時に網膜が捉えうる空間の全領域を指す。
- ✓人間の視野の測定には、ゴールドマン視野計やハンフリー視野計などが用いられる。
- ✓視野狭窄は緑内障、網膜色素変性症、脳梗塞などの疾患によって引き起こされる。
視野(しや、英: field of vision, visual field)とは、眼球を動かさずにまっすぐ前方を見つめているときに、網膜が捉えることのできる空間の全領域を指す生理学的な概念である。

人間の視野と特徴
正常なヒトの視野は、片眼の場合でおおむね鼻側および上側へ約60度、下側へ約70度、耳側(外側)へ約90度から100度程度とされる。ヒトは両眼が顔面の前方を向いているため、左右の視野が重なり合う両眼視の範囲が広く、立体視や空間認識において有利な構造を持っている。
視野の測定方法
医学的な視野の評価や疾患の診断においては、さまざまな検査機器や手法が用いられる。一般的な測定法としては、対座法、平面視野計法に加え、動的量的視野測定に用いられるゴールドマン視野計や、静的量的視野計測に用いられるハンフリー視野計などが挙げられる。通常は片眼ずつ独立して検査を行う。
視野障害と関連疾患
視野の一部が見えなくなる状態を視野障害と呼ぶ。代表的なものとして、同名半盲や両耳側性半盲などが知られている。また、視野全体が狭まる症状は視野狭窄と呼ばれ、緑内障、網膜色素変性症、網膜剥離、脳梗塞などの疾患に伴って引き起こされることがある。両眼の視野が重なり合う領域が存在するため、初期段階の視野欠損は自覚しにくい場合がある。
動物における視野
動物の視野は生態や生存戦略に応じて大きく異なる。一般に、獲物を追う肉食動物は両眼視を利かせるために目が顔の前面に位置しており、視野の広さよりも立体的な把握に優れる傾向がある。一方、草食動物は敵をいち早く発見して逃走するため、目が顔の側面にあり、広範囲を見渡せる構造をしている。
よくある質問
視野とは何ですか?
片眼でまっすぐ前方を見つめた時に、網膜が捉えることのできる空間の全領域のことを指します。
視野の検査にはどのようなものがありますか?
動的量的視野測定に用いられるゴールドマン視野計や、静的量的視野計測に用いられるハンフリー視野計などを用いた検査が行われます。
視野狭窄を引き起こす主な疾患は何ですか?
緑内障、網膜色素変性症、網膜剥離、脳梗塞などが挙げられます。
関連記事
視覚緑内障網膜色素変性症
参考文献
ベアー. (2007). 神経科学 -脳の探求-. 初版. 西村書店.