カナダの先住民族

カナダのファースト・ネーション:概要と歴史的背景

カナダのファースト・ネーション:概要と歴史的背景
カナダの先住民族グループの一つであるファースト・ネーションについて、定義、人口統計、法的地位、および歴史的背景を解説します。

📌 主なポイント

  • ✓ファースト・ネーションは、イヌイット、メティと並ぶカナダの主要な3先住民族グループの一つである。
  • ✓2021年の国勢調査において、ファースト・ネーションの人口は約105万人と記録されている。
  • ✓カナダ憲法法第35項により、先住民としての権利が法的に保障されている。
  • ✓「インディアン法」に基づき、現在も法律上の用語として「インディアン」が使用される場合がある。

ファースト・ネーション(First Nations)は、カナダの先住民族のうち、イヌイットおよびメティを除いたグループを指す呼称です。カナダ1982年憲法法第35項において、イヌイット、メティと並び、カナダにおける先住民としての権利が認められた主要な3グループの一つとされています。

2021年の国勢調査によると、ファースト・ネーションの人口は1,048,405人であり、カナダ全体の先住民人口の約58%を占めています。彼らの共同体は630を超え、50以上の民族と固有言語が存在します。居住地域はカナダ西部のブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州、およびオンタリオ州に集中しており、特にマニトバ州とサスカチュワン州では州人口の10%以上を占める重要な存在です。

オジブワ族を描いた絵画
オジブワ族を描いた絵画

法的地位と呼称

カナダ連邦政府による「インディアン法(1876年)」は現在も存続しており、法律上「インディアン」という用語が使用される場合があります。しかし、この呼称は植民地支配の歴史を想起させるとして、多くの当事者から否定的に捉えられています。1970年代以降は、より適切な呼称として「ファースト・ネーション」が広く定着しました。また、雇用均等法の下では、先住民は「雇用公正の必要な人々」として認定されており、統計上は「ヴィジブル・マイノリティー」とは区別されたカテゴリーとして扱われています。

現状と課題

ファースト・ネーションは、歴史的な植民地支配の影響を現在も受けています。国連の調査などでは、非先住民と比較して平均寿命に大きな開きがあることが指摘されており、経済・社会・文化的な権利の保障が依然として重要な課題となっています。

よくある質問

ファースト・ネーションと他の先住民グループの違いは何ですか?
カナダでは先住民を主にファースト・ネーション、イヌイット、メティの3グループに分類しており、ファースト・ネーションはイヌイットとメティ以外の先住民族を指します。
なぜ「インディアン」という呼称が使われるのですか?
1876年に制定された「インディアン法」が現在も現存しているため、法的な文脈でこの用語が使用されることがあります。しかし、多くの人々はこれを差別的であると捉えています。
ファースト・ネーションの人口はどの程度ですか?
2021年の国勢調査によると、人口は1,048,405人であり、カナダの全先住民人口の約58%を占めています。

関連記事

カナダの先住民族インディアン法イヌイットメティカナダの歴史

参考文献

  • Government of Canada; Crown-Indigenous Relations and Northern Affairs (2008). "First Nations".
  • Statistics Canada (2022). "The Daily — Indigenous population continues to grow".
  • Government of Canada, Public Service Commission (2008). "Employment Equity Groups".
  • AFPBB News (2010). "先住民は非先住民より20年寿命が短い、国連報告書".