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航空保安施設の点検を担う飛行検査用航空機の概要と運用体制

航空保安施設の点検を担う飛行検査用航空機の概要と運用体制
航空機の航行安全を守るため、航空保安施設や管制施設の機能を実際に飛行して検査する飛行検査用航空機について、日本における国土交通省および航空自衛隊の運用体制や使用機種を解説します。

📌 主なポイント

  • 飛行検査用航空機は、航空保安施設や交通管制施設の機能を実際に飛行して検査するために使用される。
  • 日本では国土交通省航空局と航空自衛隊航空支援集団(飛行点検隊)がそれぞれ運用を行っている。
  • 国土交通省の飛行検査機は、その白い塗装から「ドクターホワイト」の愛称で呼ばれることがある。
  • 航空自衛隊では、YS-11FCやU-125の後継としてサイテーション680A(U-680A)が導入されている。

飛行検査用航空機(ひこうけんさようこうくうき、Flight Inspection Aircraft)とは、航空機の航行の安全を確保するために利用される航空保安施設、航空交通管制施設、および航空管制通信施設の機能を、実際に航空機が飛行して検査するために使用される専用の航空機である。

飛行検査の概要

国土交通省によると、飛行検査(Flight Inspection)とは、以下のような業務および検査を指す。

  • 航空保安施設等の機能あるいは航空路等について定期的に行う検査
  • 施設を新設した場合、運用開始に先立って行う検査
  • 施設に重要な変更があった場合、または重大な故障が発生しその運用を再開する場合等に行う検査
  • 飛行場及び航空保安施設等の設置、航空路の指定及び航空機の離陸又は着陸のための飛行の方式の設定、その他航空機の航行の安全に関する検査又は調査
YS-11 (国籍記号JA8709)に搭載されている飛行検査機器
YS-11 (国籍記号JA8709、現在は N462AL )に搭載されている飛行検査機器
三沢飛行場で飛行検査を行なう連邦航空局の飛行検査用航空機
三沢飛行場で飛行検査を行なう 連邦航空局 の飛行検査用航空機

日本における運用体制

日本国内においては、主に国土交通省航空局と航空自衛隊の2つの組織が飛行検査機を運用している。

国土交通省による運用

国土交通省航空局は、全国各地に配置されている航空保安施設や、空港および航空路などに設定される飛行方式などの検査を行っている。業務開始以来羽田空港を拠点としてきたが、2015年に中部国際空港に設置された飛行検査センターへ移転した。機体が白色の塗装であることから、新幹線の試験車両になぞらえて「ドクターホワイト」とも呼ばれており、コールサインには「チェックスター」が使用される。

飛行検査中の国土交通省航空局JA004G
飛行検査中の国土交通省航空局JA004G
国土交通省航空局JA007G
国土交通省航空局JA007G
航空局の飛行検査機 ボンバルディアBD-700 グローバルエクスプレス(JA005G)
航空局の飛行検査機 ボンバルディアBD-700 グローバルエクスプレス(JA005G)

航空自衛隊による運用

航空自衛隊では、航空支援集団傘下に属する入間基地の飛行点検隊が、全国各地の自衛隊が管理する航空保安施設や飛行場などにかかる飛行検査を実施している。こちらのコールサインは「トライヤー」である。

航空自衛隊航空支援集団飛行点検隊のYS-11とU-125
航空自衛隊航空支援集団飛行点検隊のYS-11(左)とU-125(右)
航空自衛隊飛行点検隊のU-680A
航空自衛隊飛行点検隊のU-680A

使用機種の変遷

国交省および自衛隊では、任務の高度化や機体の老朽化に伴い、時代に応じて様々な航空機を導入・退役させてきた。

国土交通省の機体

過去には高々度検査用としてガルフストリーム IV(JA001G / JA002G)が運用されていたが、2018年11月にJA001Gが登録抹消され、すべてのガルフストリームが退役した。また、低・中高度検査用としてボンバルディアBD-700 グローバル・エクスプレスやサーブ 2000なども導入されたが、それぞれ順次登録抹消されている。近年ではセスナ サイテーションCJ4やサイテーション・ロンジチュードなどが運用されている。

機体記号 型式 用途 備考
JA008G 525C Citation CJ4 低・中高度検査用 -
JA009G 525C Citation CJ4 低・中高度検査用 -
JA010G 525C Citation CJ4 低・中高度検査用 -
JA011G 525C Citation CJ4 低・中高度検査用 -
JA012G 525C Citation CJ4 低・中高度検査用 -
JA701G 700 Citation Longitude 検査用 -

航空自衛隊の機体

自衛隊ではかつてYS-11FCやU-125(原型機BAe125、ホーカー 800)が使用されていた。その後継機としてサイテーション680A(U-680A)が選定され、2020年3月には最初の機体が入間基地に到着するなど、近代化が進められている。

よくある質問

飛行検査用航空機とはどのような機体ですか?
航空機の航行安全のために利用される航空保安施設や航空交通管制施設、通信施設の機能が正常に動作しているかを、実際に飛行しながら検査するために使用される専用の航空機です。
日本の国土交通省における拠点はどこにありますか?
業務開始以来羽田空港を拠点としていましたが、2015年に中部国際空港に設置された飛行検査センターへ移転しました。
「ドクターホワイト」とは何ですか?
国土交通省が運用する飛行検査機の機体が白色の塗装であることから、新幹線の試験車両になぞらえて呼ばれる愛称です。
航空自衛隊の飛行点検隊はどこに所属していますか?
航空支援集団の傘下であり、埼玉県にある入間基地に所在しています。

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参考文献