環境問題

森林原則声明の概要と歴史的背景

1992年の国連環境開発会議(UNCED)で採択された森林原則声明について、策定の経緯や主な内容を解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 森林原則声明は1992年6月の国連環境開発会議(UNCED)で採択された。
  • 正式名称は「全ての種類の森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威ある原則声明」である。
  • 開発途上国の反対により、法的拘束力を持たない原則声明およびアジェンダ21の第11章という形で合意された。
  • 前文と15項目の原則からなり、森林の多様な機能の保全や持続可能な開発を掲げている。

森林原則声明(しんりんげんそくせいめい、英語: Forest Principles)は、世界中の森林に関する諸問題に対し、各国が国際的な協力のもとで解決を目指すことを目標として採択された文書である。正式名称は「全ての種類の森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威ある原則声明」であり、1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議(UNCED、地球サミット)」において採択された。

策定の経緯

1990年にアメリカ合衆国のテキサス州ヒューストンで開催された先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)の経済宣言において、森林に関する条約を国連環境開発会議(UNCED)の開催までに策定することが盛り込まれた。当初、先進国は熱帯林の保全を目的とした「世界森林条約」の成立を期待していた。

しかし、木材を主要な経済資源とする開発途上国などが法的拘束力を持つ条約の制定に強く反対した。その結果、熱帯林のみならず温帯林やボホラ林など「全ての種類の森林」を対象としつつも、法的拘束力を持たない権威ある原則声明という形での合意に至った。同時に、アジェンダ21の第11章「森林減少対策」が関連文書として位置づけられた。

主な内容

森林原則声明は前文と15項目の原則から構成されている。前文では、森林問題が包括的な文脈の中で検討されるべき広範な課題であることや、森林が有する多様な機能の保全および持続可能な開発の重要性が基本認識として示されている。

具体的な原則においては、以下のような方針や対策の方向性が掲げられている。

  • 森林が持つ多様な財とサービスの適切な評価
  • 開発途上国による森林保全の取り組みに対する国際的な協力支援
  • 森林政策や意思決定プロセスへの市民参加
  • 林産物貿易の円滑化および自由化の促進

よくある質問

森林原則声明が採択された会議は何ですか?
1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議(UNCED、地球サミット)」で採択されました。
森林原則声明に法的拘束力はありますか?
法的拘束力はありません。「法的拘束力のない権威ある原則声明」として採択されています。
なぜ法的拘束力を持つ条約にならなかったのですか?
木材を主要な経済資源としている開発途上国などが、法的拘束力のある条約の制定に強く反対したためです。

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参考文献

外務省 / 国連における森林問題への取組