貨物輸送と流通における物品の概念

📌 主なポイント
- ✓貨物は運送の客体となる物品の総称であり、経済学では商業的利益を得るために賃送される商品を指す。
- ✓貨物は性状により一般貨物と特殊貨物に分類され、さらに包装形態や輸送手段によって細分化される。
- ✓日本国内の貨物輸送においては、代表輸送機関としてトラックが大きなシェアを占めている。
貨物(かもつ、英語:freight / cargo)とは、運送の客体となる物品の総称であり、「輸送機関によって運ばれる物品」を指す。特に英語で「Cargo」と言った場合は、水路または空路で運ばれる貨物を指すことが多い。また、経済学の文脈においては、商業的利益を得るために賃送される商品を意味する。

貨物の分類
貨物はその性質や輸送方法に応じて、いくつかのカテゴリに分類される。
物品の性状による分類
物品の性状により、一般貨物と特殊貨物に分けられる。特殊貨物は、荷扱いや積付けに一般貨物とは異なる特別な取り扱いが必要なものであり、液体、粉粒体、動物、植物、貴重品、危険品などがこれに該当する。文献によっては、一般貨物、特殊貨物、雑貨に細分化されることもある。
包装形態による分類
包装形態に着目した場合、貨物はバルク貨物(ばら積み貨物)、容器入り貨物、コンテナ貨物、パレット積み貨物などに分類される。
輸送手段による分類
主な輸送手段としては、海上貨物、航空貨物、鉄道貨物、トラック貨物が挙げられる。このうち、トラック積載量未満(LTL:Less-than-truckload shipping)の貨物は、貨物輸送の最初のカテゴリであり、貨物輸送および企業間(B2B)輸送の大部分を占めている。
各国の制度と輸送事情
日本
日本国内においては、商法に規定される運送営業として法的規制を受ける。物品運送契約は、運送人が荷送人から物品を受け取り、これを運送して荷受人に引き渡すことを約し、荷送人がその運賃を支払うことによって効力が生じる。
国内の貨物輸送の輸送機関別分担率を見ると、国土交通省の交通センサスにおいて、代表輸送機関に基づく2000年度のトラックのシェアは81%に達しており、日本の陸上輸送の中心を担っている。これに対し、鉄道輸送における小規模なものは「荷物」として貨物とは区分され、旅客と同様の駅で扱われるなど運用上の違いがあったが、日本における鉄道荷物輸送はごく一部を除いて既に廃止されている。また、1960年代頃まで長距離大量輸送の主軸であった鉄道貨物は、短距離での機動性の低さなどの理由からシェアを大きく落とし、トンキロベースでは数パーセント程度に留まっている。
欧州
ヨーロッパにおいては、鉄道網が整備される以前は河川舟運が主要な輸送手段であった。19世紀後半以降の鉄道網の発展や20世紀前半以降の道路網の整備により河川舟運は一時衰退したものの、モーダルシフトへの期待から各国で支援が進められており、主要な港湾におけるコンテナ取扱量などで重要な役割を担い続けている。