教育

学校林の歴史と役割

学校林の定義、歴史的背景、教育的意義、および現代における森林体験活動としての役割について解説します。

📌 主なポイント

  • 学校林は、学校の財産形成や環境教育、体験活動を目的として設置される森林である。
  • 1897年の文部省による通牒を契機に、日本全国で学校林の設置が推進された。
  • 現代では収益目的よりも、環境教育や森林体験活動の場としての活用が重視されている。
  • 2006年時点の調査では、全国で約3,057校が学校林を保有している。

学校林とは、学校が保有または管理する森林を指します。その主な目的は、学校の基本財産形成、児童・生徒に対する環境教育、および森林体験活動の場を提供することにあります。学校が直接所有するケースのほか、国有林や公有林を分収林として活用する形態も存在します。

歴史的背景

日本における学校林の運動は、19世紀末に遡ります。1885年、アメリカで植林活動を行っていた教育家ノースロップが来日し、ジュリアス・スターリング・モートンが提唱した学校単位の植林活動について情報を伝えました。文部省は、こうした活動が愛郷心や公共心を養うとともに、学校財産の造成にも寄与すると判断しました。

1897年には、文部省が各地方庁に対して官有地の貸下げや払下げに関する通牒を発し、学校林による植林活動は全国的な広がりを見せました。農林省山林局の資料によると、1938年時点で全国の初等・中等学校における学校林の総面積は50,025町歩に達していました。

現代における役割と運営

戦後は、国土復興運動の一環として森林資源の確保や公共福祉への貢献が重視されました。現在、多くの学校林は市町村有林として条例や規則に基づき設置・管理されています。森林の管理には専門的な知識が必要とされるため、市町村の予算や学校林の収益を充てて森林組合等の専門技術者が管理を行うのが一般的です。

かつては学校林からの収益を校舎の増改築費用に充てる例も見られましたが、近年では材木価格の低迷もあり、環境教育の場としての活用が主流となっています。児童・生徒、教員、地域の森林ボランティア団体が連携し、森林体験活動や自然保護活動に取り組む事例が増えています。

全日本学校関係緑化コンクール

1950年度からは、学校林活動の推進を目的として「全日本学校植林コンクール」が開始されました。これは国土緑化推進委員会と新聞社が主催し、文部省や農林省が後援する形で運営されました。1957年には環境緑化活動部門が新設され、学校林を持たない都市部の学校も参加可能となりました。その後、名称の変更を経て、現在は「全日本学校関係緑化コンクール」として継続されています。

統計と現状

国土緑化推進機構の調査によると、2006年時点で学校林を保有する学校は約3,057校、総面積は約20,106ヘクタールとなっています。2001年の調査と比較すると漸減傾向にありますが、都市部の学校が環境教育の一環として遠隔地に新たな学校林を確保する動きも一部で見られます。

よくある質問

学校林はどのような目的で設置されますか?
学校の基本財産形成、児童・生徒への環境教育、および森林体験活動の場を提供することを主な目的としています。
学校林の管理は誰が行いますか?
多くの場合、市町村の条例等に基づき、森林組合などの専門技術者が予算や収益を活用して管理を行っています。
学校林は減少傾向にありますか?
国土緑化推進機構の2006年の調査では、2001年と比較して漸減傾向にあることが報告されています。

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参考文献

  • 社団法人国土緑化推進委員会『国土緑化20年の歩み』1970年
  • 釧路市学校林条例(平成17年10月1日)
  • 喬木村学校林の設置管理条例細則第2条
  • 国土緑化推進機構「学校林の調査結果について」(平成18年4月6日)