化学元素

ガリウム:化学的性質と産業的応用

ガリウム:化学的性質と産業的応用
原子番号31の元素・ガリウムの物理的・化学的性質、歴史、および半導体などの産業的用途について解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • ガリウムの元素記号はGa、原子番号は31である。
  • 融点が約29.8°Cであり、人間の手の上で融解する。
  • 1875年にフランスの化学者ポール・ボアボードランによって発見された。
  • メンデレーエフが「エカ=アルミニウム」として存在を予言していた元素である。

ガリウム(英: gallium)は、原子番号31の化学元素である。元素記号は Ga。ホウ素やアルミニウムなどと同じ第13族元素に属する、銀白色の金属光沢を持つ貧金属である。

歴史

1870年にドミトリ・メンデレーエフが周期表を発表した際、原子量や比重などを理論的に予言し、「エカ=アルミニウム」と名付けた。1875年、フランスの化学者ポール・ボアボードランがピレネー山脈産の閃亜鉛鉱を分光法で分析した際に、特徴的な2本の紫色の光線から発見した。同年、ボアボードランは水酸化カリウム水溶液を用いて水酸化ガリウム(III)を電解し、金属ガリウムの単離に成功した。メンデレーエフが予測した物性と実測値が驚異的な一致を示したため、当時未評価だったメンデレーエフの周期表の正しさが広く知られる契機となった。

物理的および化学的性質

ガリウムの融点は 29.8 °C と室温近辺にあり、人間の手のひらの上に乗せると体温で容易に液化する。一方、沸点は 2403 °C と非常に高く、液体の状態で存在できる温度範囲が極めて広い点が特徴である。また、水と同様に、液体から固体へ相転移する際に体積が膨張する数少ない物質の一つである。酸にもアルカリにも溶ける両性の性質を示す。

産業的応用

高純度のガリウムは、半導体材料として極めて重要な役割を果たす。ガリウムヒ素(GaAs)や窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体として、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード、高周波集積回路などに広く利用されている。

よくある質問

ガリウムとはどのような元素ですか?
原子番号31、元素記号Gaの第13族元素に属する金属です。室温付近で液体になる低い融点が特徴です。
ガリウムの融点は何度ですか?
融点は約29.8°Cであり、人間の手のひらの温度で溶ける性質を持っています。
ガリウムはどのようにして発見されましたか?
1875年にフランスの化学者ポール・ボアボードランが分光法を用いて閃亜鉛鉱から発見しました。

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参考文献

  • Moskalyk, R. R.: Gallium: the backbone of the electronics industry. Minerals Engineering. 2003.
  • William H. Brock: Viewegs Geschichte der Chemie. Vieweg, 1997.
  • アイザック・アシモフ『化学の歴史』ちくま学芸文庫、2010年。