政治・歴史

合衆国の名称と歴史的由来についての解説

英語の「United States」の漢字文化圏における対訳語である「合衆国」の語源や歴史的由来、およびこの名称を用いてきた国々について解説します。

📌 主なポイント

  • ✓「合衆国」は英語の「United States」の漢字文化圏における対訳語である。
  • ✓現在はアメリカ合衆国とメキシコ合衆国の2か国が「合衆国」を称している。
  • ✓「合衆国」という訳語の由来については、望厦条約説や誤記説など複数の説が存在する。

合衆国(がっしゅうこく)は、英語における政体呼称の一つである「United States」の、漢字文化圏での対訳語とされる語である。「United Provinces」の訳語として用いられることもある。

国名にも用いられており、現在はアメリカ合衆国とメキシコ合衆国の2か国が存在している。メキシコ合衆国もかつては英語の国名を「United States of Mexico」と称していたが、後に現行の国名に変更している。現代では、単に合衆国と呼ぶ場合はアメリカ合衆国を指すことが多い。

概要

United Statesとは、複数のState(州、国、邦)の連合体を意味する。現代の日本語に直訳すれば「連合諸州」や「連邦」と同じ意味合いとなるが、江戸時代末期(幕末)以降、日本の政府や社会一般では一貫して「合衆国」という訳語が用いられてきた。「連邦」の語は「Federation」の訳語として当てられることが多い。

合衆国という訳語が定着する以前は、「アメリカ共和政治」や「アメリカ合同国」などと訳されていた。

語の由来

「合衆国」という和訳の由来については、いくつかの説が提唱されている。

  • 望厦条約説:1844年に米清間で締結された望厦条約の中国語文において「合衆国」表記が採用され、それが日本に伝わったとする説。
  • 「合州国」の誤記説:本来は「合州国」と書くべきところを「合衆国」と誤って表記したという説。
  • 「合衆=共和制」説:「合衆」は本来「共和制」や「民主主義」の古い訳語であり、United Statesの直訳ではないとする説。
  • 「合+衆国」説:中国にいた宣教師ブリッジマンが「衆国を合わせたもの」として作った訳語が日本に転用されたとする説。
  • 「合衆=United」説:「合衆」を「複数のものを合わせてひとつにする」という意味のUnitedの訳とし、イギリスを「合衆王国」と訳した例なども見られるとする説。

合衆国と称する国

歴史上および現在において、「合衆国」や「United States」の名称を用いてきた、あるいは称している国家には以下のような例がある。

  • アメリカ合衆国(1776年 - )
  • メキシコ合衆国(1824年 - )
  • ベルギー合衆国(1790年)
  • イオニア諸島合衆国(1815年 - 1864年)
  • コロンビア合衆国(1863年 - 1886年)
  • ブラジル連邦(1889年 - 1968年)

よくある質問

「合衆国」とはどのような意味ですか?
複数の州や国、邦の連合体を意味する「United States」の漢字文化圏における対訳語です。
現在「合衆国」と称している国はいくつありますか?
2021年現在、アメリカ合衆国とメキシコ合衆国の2か国が存続しています。
「合衆国」という訳語はどのようにして生まれたのですか?
望厦条約での採用説や「合州国」からの誤記説、中国での宣教師による造語説など、複数の異なる説が提唱されています。

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アメリカ合衆国メキシコ合衆国連邦共和制

参考文献

宮澤俊雅「「US漢号」覚書: 「合衆国」考」『北海道大学文学研究科紀要』第109巻、2003年。
千葉謙悟「the United Statesと「合衆國」-中西言語文化接触の視点から-」『英文学フランス文学ドイツ文学ロシヤ文学中国文学』第49巻、2003年。