宇宙開発

地球環境変動観測ミッション (GCOM)

地球環境変動観測ミッション (GCOM)
JAXAが推進する地球環境変動観測ミッション(GCOM)の概要。水循環変動観測衛星「しずく」および気候変動観測衛星「しきさい」による地球環境データの長期観測について解説します。

📌 主なポイント

  • GCOMはJAXAが主導する地球環境観測のための長期ミッションである。
  • 水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)は2012年に打ち上げられた。
  • 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は2017年に打ち上げられた。

地球環境変動観測ミッション(Global Change Observation Mission、略称:GCOM)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する地球環境の変動を長期的に観測するための人工衛星プロジェクトです。気候変動の予測、水資源の管理、および災害監視を目的として、全地球規模での物理データを継続的に取得しています。

ミッションの目的と背景

GCOMは、太陽活動周期を考慮した10年から15年程度の長期間にわたり、降水、積雪、水蒸気、雲、エアロゾル、植生などのデータを継続的に観測することを目的としています。これらのデータは、気候変動メカニズムの解明や気象予測精度の向上、食料資源管理といった社会課題の解決に活用されます。本ミッションは、国際的な地球観測システム(GEOSS)への貢献の一環としても位置づけられています。

主要な観測衛星

GCOMは、異なる観測目的を持つ2種類の衛星シリーズで構成されています。

水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)

2012年5月18日に打ち上げられた「しずく」(GCOM-W1)は、高性能マイクロ波放射計(AMSR2)を搭載しています。大気中の水蒸気量や降水量、海面水温、海氷密接度、土壌水分量などを観測し、地球規模の水循環の把握に貢献しています。

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)

2017年12月23日に打ち上げられた「しきさい」(GCOM-C)は、多波長光学イメージャ(SGLI)を搭載しています。可視から熱赤外域までの波長を利用し、雲やエアロゾルの特性、海色、植生、雪氷分布などを観測することで、放射収支や炭素循環の解明を目指しています。

運用とデータ利用

観測されたデータは、JAXAの地球観測研究センター(EORC)に集約され、解析処理を経て全世界の研究者や利用者に提供されます。衛星バスには冗長設計が施されており、信頼性を高めることでミッションの継続性を確保しています。

よくある質問

GCOMの主な目的は何ですか?
気候変動の予測、水資源の管理、災害監視のために、地球環境の物理データを10年から15年という長期間にわたり継続的に観測することです。
「しずく」と「しきさい」の違いは何ですか?
「しずく」はマイクロ波放射計を用いて水循環(降水、水蒸気、海面水温など)を観測し、「しきさい」は光学センサを用いて気候変動(雲、エアロゾル、植生、海色など)を観測します。

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参考文献

  • 産経ニュース「気候変動観測衛星『しきさい』と試験衛星『つばめ』打ち上げ成功」(2017年12月23日)
  • 内閣府「宇宙基本計画」
  • JAXA「地球を観測、衛星『しきさい』と『いぶき』」