気象学
幻日:大気光学現象の概要と原理

幻日(げんじつ)は、太陽の両側に光の塊が見える大気光学現象です。その発生原理や特徴、関連する現象について解説します。
📌 主なポイント
- ✓幻日は、雲の中の六角板状の氷晶による太陽光の屈折で発生する大気光学現象である。
- ✓通常、太陽から約22度離れた位置に光の塊として観測される。
- ✓太陽高度が61度を超えると、全反射の影響で幻日は見られなくなる。
- ✓月に対して同様の現象が発生した場合は「幻月」と呼ばれる。
幻日(げんじつ、英語: sun dog, parhelion)とは、太陽と同じ高度の太陽から離れた位置に、光の塊が見える大気光学現象のことである。空に浮かぶ雲の中に存在する氷の結晶が太陽光を屈折させることで発生する。
同様の現象が月に対して起こる場合は幻月(げんげつ、英語: moon dog, paraselene)と呼ばれる。
発生原理
幻日は、上空の雲に含まれる六角板状の氷晶によって引き起こされる。風が弱く、これらの氷晶が地面に対してほぼ水平に浮かんでいる際、太陽光が氷晶の側面から入射し、別の側面から出ることで屈折する。このとき、氷晶の2つの面が60度の角を成しているため、プリズムのような役割を果たし、太陽から約22度離れた位置に光が集まって見える。

太陽高度が高い場合、光が氷晶を通過する経路が斜めになるため、太陽と幻日の間の角度は22度よりも大きくなる。太陽高度が61度を超えると、氷晶の側面から光が射出される際に全反射が起こるため、幻日は観測されなくなる。また、氷晶の屈折率は波長によって異なるため、幻日は虹のように色に分かれて見え、太陽に近い側が赤色、遠い側が紫色となる。

関連する現象
- 映幻日:高い山や航空機から観測される現象で、映日の光が氷晶で反射・屈折することで生じる。
- 120度幻日:太陽から約90度から120度離れた位置に現れる極めて稀な現象。
- 内暈:幻日と同時に現れることが多く、太陽を中心に22度の半径で光の輪が見える現象。
よくある質問
幻日はなぜ虹色に見えるのですか?
氷晶の屈折率が光の波長によって異なるため、プリズムと同様に光が分光され、太陽に近い側が赤色、遠い側が紫色となって見えるためです。
幻日と幻月の違いは何ですか?
幻日は太陽光によって発生する現象であり、幻月は月光によって発生する同様の現象を指します。
幻日はいつでも見ることができますか?
いいえ、上空に六角板状の氷晶を含む雲が存在し、かつ氷晶が水平に並ぶなどの特定の気象条件が揃う必要があるため、常に観測できるわけではありません。
関連記事
暈大気光学現象氷晶虹
参考文献
- 鈴木旭『面白いほどよくわかる 戦国史』日本文芸社、2004年、p.58。
- Weblio和英辞書「幻日」「幻月」
- 英辞郎 on the WEB「sundog」「parhelion」