地理学の概念と歴史的展開

📌 主なポイント
- ✓地理学は、地球表面の自然・人文事象の状態とそれらの相互関係を研究する学問である。
- ✓アレクサンダー・フォン・フンボルトとカール・リッターは「近代地理学の父」と称されている。
- ✓地理学は大きく系統地理学(自然地理学・人文地理学)と地誌学に分類される。
地理学(ちりがく、英: geography)は、地球表面の自然事象および人文事象の状態と、それらの相互関係を研究する学問である。地域や空間、場所、自然環境という物理的存在を対象に含むことから、人文科学、社会科学、自然科学のいずれの性格も併せ持ち、広範な領域を網羅している。
名称と定義
英語の geography は、古代ギリシア語の geographia に由来する。geo(土地)と graphia(記載する)が合わさった語であり、本来は地球とその住民に関することを記載するという意味を持っていた。日本における「地理」の語源は古代中国の『易経』に遡り、漢字文化圏において自然や社会の諸現象を解明する学問の名称として定着した。
地理学の定義については時代や学者によって多様であるが、地球表面を地域的差異の観点から研究する学問、あるいは地表の諸現象を環境・地域・空間などの概念に基づいて解明しようとする学問として捉えられている。
歴史的展開
地理学の源流は古代ギリシアの博物学に求められる。近代的な科学としての地理学は19世紀初頭のドイツで確立され、アレクサンダー・フォン・フンボルトとカール・リッターが「近代地理学の父」と称されている。フンボルトは自然地理学の始祖とされ、リッターは人文地理学の創始者とされている。
19世紀後半以降、環境決定論や環境可能論などの理論が整備され、系統地理学が発展した。1950年以降は、コンピュータや統計データを用いた計量的な地理学が急速に普及し、現代においては地理情報システム(GIS)を活用した応用的な研究が盛んに行われている。
下位分野
地理学は大きく「系統地理学」と「地誌学」に分類される。
系統地理学
系統地理学は、特定の事象に着目してその法則性や空間的分布を研究する分野であり、さらに自然地理学と人文地理学に分かれる。
- 自然地理学:気候学、水文学、地形学、生物地理学、土壌地理学、雪氷地理学などを含み、地球科学や生物学と密接に関係している。
- 人文地理学:人間活動と空間の関わりを扱い、歴史学、社会学、経済学などの近隣分野と深く結びついている。
地誌学
地誌学(地域地理学)は、特定された地域内における地理学的事象を自然・人文両方の見地から総合的に研究する分野である。
日本における地理教育と研究
日本では、大学の文学部や理学部などに地理学の専門課程が設置されている。1925年に日本地理学会が設立されたほか、人文地理学会や経済地理学会などの学術団体が存在し、学術誌を発行している。
初等・中等教育においても、地理は社会科や地理歴史科の主要な科目として位置づけられており、高等学校においては教育課程の改訂に伴い必修科目としての位置づけが変化してきた歴史を持つ。
よくある質問
地理学とはどのような学問ですか?
近代地理学の創始者は誰ですか?
地理学の下位分野にはどのようなものがありますか?
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参考文献
- 日本学術会議 地域研究委員会・地球惑星科学委員会合同 地理教育分科会 『報告 大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 地理学分野』 2014年。
- 公益社団法人日本地理学会 『新ビジョン(中期目標)』 2018年。