ジオパークの概念と地域認定制度の仕組み
📌 主なポイント
- ✓ジオパークは地球科学的価値を持つ大地の遺産の保全、教育、ジオツーリズムを活用した持続可能な地域開発プログラムである。
- ✓ユネスコ世界ジオパークは国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の正式事業である。
- ✓日本国内では日本ジオパーク委員会(JGC)が審査や認定を行っており、多くの地域が日本ジオパークおよび世界ジオパークに認定されている。
ジオパーク(英: geopark)とは、地球科学的な価値を持つ遺産(大地の遺産、ジオヘリテイジ)を保護・保全し、教育やツーリズムに活用しながら、地域社会の持続可能な開発を進めるための地域認定プログラムおよびその地域自体を指す言葉である。
「ジオ(Geo)」は地球や大地を、「パーク(Park)」は公園を意味している。日本語においては「地質公園」と訳されることもあるが、単なる地質の保護区に留まらず地域社会や文化を含めた総合的な枠組みであることから、制度を正しく表現するためにそのまま「ジオパーク」の語が用いられ、説明の際には「大地の公園」と表現されることが多い。
主要な活動
ジオパークの活動は、主に以下の3つの要素に要約される。
- 保全(Conservation):学術的、教育的、美的な価値を持つ大地の遺産を次世代へ引き継ぐために保全する。
- 教育(Education):地球科学や自然環境、地域の文化に関する知識を学校教育や社会教育に役立てる。
- ジオツーリズム(Geotourism):大地の遺産を活かした観光を推進し、地域経済を持続可能な形で活性化させる。
これらの活動は、持続可能な開発のための教育(ESD)の理念とも深く結びついており、地域住民が主体となったボトムアップ型の地域づくりとして展開されている。
認定とネットワークの仕組み
地域がジオパークとして認められるためには、国内外の審査機関による認定を受ける必要がある。また、認定後も定期的な再審査が行われる仕組みが整えられている。
ユネスコ世界ジオパーク
世界ジオパークネットワーク(GGN)の審査を経て加盟を認定されるものを「ユネスコ世界ジオパーク」と称する。これは国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の正式事業であり、国際的な価値を持つ地質遺産の存在や、適切な管理体制、可視性、ネットワークへの参加などが厳しく審査される。
日本ジオパーク
国内においては、日本ジオパーク委員会(JGC)が審査および認定を行う。日本ジオパークネットワーク(JGN)に加盟する地域が「日本ジオパーク」として活動しており、日本の世界ジオパークはいずれも日本ジオパークとしての基盤を持っている。
沿革
2000年にヨーロッパジオパークネットワーク(EGN)が設立されたことを契機に、ジオパークの枠組みが形成された。2004年にはユネスコの支援のもと、世界ジオパークネットワーク(GGN)およびアジア太平洋ジオパークネットワーク(APGN)が設立された。
日本国内では、2007年に日本ジオパーク連絡協議会が発足し、2008年には産業技術総合研究所地質調査総合センターを中心に日本ジオパーク委員会(JGC)が発足した。2009年には、洞爺湖有珠山ジオパーク、糸魚川ジオパーク、島原半島ジオパークが日本初の世界ジオパークとして認定された。2015年には、世界ジオパークがユネスコの正式事業として認定されている。