太陽系外惑星グリーゼ581dの発見とハビタブルゾーン巡る議論

📌 主なポイント
- ✓グリーゼ581dは、てんびん座の方向約20光年の距離にある赤色矮星グリーゼ581を公転する惑星候補である。
- ✓2007年にラ・シヤ天文台のHARPSを用いた視線速度法によって発見された。
- ✓主星の活動に起因する信号の誤認説と、その後の再解析による存在肯定説の間で科学的な議論が存在する。
グリーゼ581d(Gliese 581d)は、地球からてんびん座の方向に約20光年離れた位置にあるM3V型の赤色矮星グリーゼ581を公転する太陽系外惑星の候補である。スーパーアース(巨大地球型惑星)に分類され、ハビタブルゾーン内に位置する可能性や、その実在性を巡る学術的な議論の対象として広く知られてきた。

発見の経緯
2007年、ジュネーブ天文台のステファン・アドレー(Stéphane Udry)らの研究チームは、チリのラ・シヤ天文台にあるESO3.6m望遠鏡に搭載された高精度視線速度系外惑星探査装置(HARPS)を用いて本惑星を発見した。主星が受ける惑星の重力の影響による微小な揺らぎを検知する視線速度法(ドップラー分光法)が採用され、当初の質量計算では約8.2地球質量と見積もられた。
発見当初はハビタブルゾーンの外側、あるいは境界付近に位置すると考えられていたが、その後の軌道要素の再計算やシミュレーションにより、適切な大気条件があれば液体の水が存在し得る環境にあるとする研究が発表された。

軌道と物理的特徴
グリーゼ581dは主星から約0.22au離れた軌道を公転しており、公転周期は約67日である。軌道離心率は約0.38と見積もられている。主星から受け取る光の強さは地球が太陽から受ける量の約30%程度に留まるが、十分な温室効果が維持されれば表面温度が水の状態を保つ水準に達する可能性があると議論されてきた。
存在性を巡る議論
グリーゼ581dの実在性については、観測データの解析手法や恒星活動の影響を巡って論争が続いてきた。2014年には、恒星の自転や活動に起因する周波数の変動を惑星の信号と誤認した可能性が指摘され、惑星としての実在に疑問が呈された。しかし、2015年に発表された別の再分析研究では、前年の分析手法に対する異議が唱えられ、惑星が存在する可能性が改めて支持されるなど、解釈が分かれている。
文化的な影響
2009年、オーストラリアで開催された科学週間において、本星系に向けて地球からメッセージを送信するプロジェクト「Hello from Earth」が実施された。世界中から寄せられた多数のメッセージが電波望遠鏡を通じて送信されたほか、SFテレビドラマなどのフィクション作品の中でもモチーフとして取り上げられている。
よくある質問
グリーゼ581dまでの距離はどのくらいですか?
グリーゼ581dはどのように発見されましたか?
グリーゼ581dの実在性にはどのような議論がありますか?
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参考文献
- M. Mayor, et al. (2009). The HARPS search for southern extra-solar planets, XVIII.
- S. Udry, et al. (2007). The HARPS search for southern extra-solar planets. XI. Super-Earths (5 and 8 M⊕) in a 3-planet system. Astronomy and Astrophysics, 469(3), L43–L47.
- Paul Robertson, et al. (2014). Stellar activity masquerading as planets in the habitable zone of the M dwarf Gliese 581. Science, 345(6195), 440–444.
- Guillem Anglada-Escudé, Mikko Tuomi (2015). Comment on “Stellar activity masquerading as planets in the habitable zone of the M dwarf Gliese 581”. Science, 347(6226), 1080-b.