環境工学
黒球温度(グローブ温度)の概要と測定原理
黒球温度(グローブ温度)の定義、測定に使用されるグローブ温度計の構造、および熱輻射が人体や環境に与える影響を評価する仕組みについて解説します。
📌 主なポイント
- ✓黒球温度は、周囲からの熱輻射の影響を測定するための指標である。
- ✓測定には、黒色つや消し塗装を施した銅球の中心に温度計を配置したグローブ温度計が用いられる。
- ✓湿球黒球温度(WBGT)の算出において重要な要素の一つである。
黒球温度(こっきゅうおんど、英: globe temperature)は、周囲からの熱輻射の影響を評価するために用いられる温度指標です。一般的にグローブ温度とも呼ばれます。
測定原理とグローブ温度計
黒球温度の測定には、グローブ温度計(黒球温度計)が使用されます。この装置は、直径15cm程度の薄い銅板製の球体の表面を、熱吸収率の高い「つや消しの黒色」で塗装したものです。球体の中心部には温度計が配置されており、周囲からの対流熱伝達と放射熱伝達が平衡に達した時点での温度を測定します。
この測定値は、単なる気温(乾球温度)とは異なり、太陽光や周囲の壁面などから受ける放射熱の影響を反映します。そのため、人体が感じる温熱環境をより正確に評価するための指標として利用されます。
用途と関連指標
黒球温度は、主に建築環境学や労働衛生の分野において、人体や生物に対する温熱環境の影響を調べるために用いられます。特に、熱中症の予防指標として広く知られる湿球黒球温度(WBGT)の算出には、この黒球温度が不可欠な要素として組み込まれています。
気流が極めて静穏な環境下においては、黒球温度は作用温度(オペレーティブ温度)と近似した値を示すことが知られています。
よくある質問
黒球温度と気温の違いは何ですか?
気温は空気そのものの温度を指しますが、黒球温度は気温に加えて周囲からの放射熱(太陽光や壁面からの熱など)の影響を含めた温度です。
なぜ球体は黒く塗装されているのですか?
周囲からの熱輻射を効率よく吸収し、放射熱の影響を正確に温度計に伝えるため、熱吸収率の高い黒色のつや消し塗装が施されています。
黒球温度はどのような場面で活用されますか?
主に熱中症リスクの評価や、室内環境の快適性評価、労働環境における温熱ストレスの測定などに活用されます。
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参考文献
- 文部省、日本建築学会編『学術用語集 建築学編』(増訂版)日本建築学会、1990年。ISBN 4-8189-0355-8。
- 株式会社プリード「グローブ温度計」(製品仕様書)