言語学・英語教育
グロービッシュの概要と国際共通語としての特徴
フランス人のジャン=ポール・ネリエールが提唱した国際共通語「グロービッシュ」の基本ルール、語彙数、日本における展開について解説します。
📌 主なポイント
- ✓グロービッシュはフランス人のジャン=ポール・ネリエールによって提唱された国際共通語としての道具である。
- ✓基本単語1,500語とその派生語を中心に使用し、非ネイティブ同士のビジネスコミュニケーションを想定している。
- ✓1文の長さを原則15単語以内に抑え、比喩や慣用句を避けるなどの特徴を持つ。
グロービッシュ(Globish)とは、英語を母語としない人々が国際的なビジネスやコミュニケーションの場面で用いることを想定して提唱されたコミュニケーションツールの一種である。フランス人の実業家であるジャン=ポール・ネリエールによって提唱された。
グロービッシュの特徴と基本ルール
グロービッシュは、厳密な意味での独立した言語ではなく、標準的な英語の文法をベースにしつつ、非ネイティブ話者同士が円滑に意思疎通を行うための「道具」として位置づけられている。主な特徴として、使用する語彙を制限し、表現を簡潔にすることが挙げられる。
- 基本単語1,500語とその派生語(合計でおよそ5,000語程度)のみを使用する。
- 英文法は標準的なものを用いるが、時制、態、叙法の種類を制限する。
- 主に能動態を用いる。
- 1文の長さは原則として15単語以内(長くても26語以内)に抑える。
- 慣用句(イディオム)、比喩表現、ユーモアなどは原則として避ける。
- 話を理解してもらう責任は聞き手ではなく、話し手・書き手にあるとする。
提唱と展開
ネリエールは1989年頃から「グロービッシュ」という言葉を使い始め、2004年に言語としての体系化や編纂作業を開始した。彼は著書『Don't Speak English, Parlez Globish』(2004年)などを通じて、英語が形を変えて世界中で使用される現象について体系的な解説を行った。その後、デービット・ホンとの共著による『Globish The World Over』(2009年)などが刊行され、世界各国で翻訳された。
日本における展開
2011年前後から、日本国内でも翻訳書の出版や雑誌記事を通じてグロービッシュが紹介されるようになった。「財団法人グローバル人材開発」(後の「グローバルビジネス・コミュニケーション協会」)による書籍の翻訳出版や、各種の関連ビジネス書・入門書が刊行されたほか、講師養成機関や任意団体が設立されるなど一連の動きが見られたが、その後の活動状況は団体ごとに異なっている。
よくある質問
グロービッシュとは何ですか?
フランス人のジャン=ポール・ネリエールが提唱した、英語を母語としない人々が国際的な場面で用いるためのコミュニケーションツール(道具)です。
グロービッシュでは何語程度の単語を使用しますか?
基本単語1,500語とその派生語を合わせたおよそ5,000語程度の語彙を使用します。
グロービッシュにおいて避けられる表現は何ですか?
慣用句や比喩表現、ユーモア、頭文字の使用などは、誤解を招く原因となるため原則として避けることとされています。
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参考文献
ネリエール, ジャン=ポール、ホン, デービット『世界のグロービッシュ 1500語で通じる驚異の英語術』東洋経済新報社, 2011年。