宇宙科学・気象
静止気象衛星GOESシリーズの概要と発展

アメリカ航空宇宙局とアメリカ海洋大気庁が運用する静止気象衛星シリーズ「GOES」の歴史、観測機器、および最新の運用状況について解説します。
📌 主なポイント
- ✓GOESシリーズは1975年からアメリカ合衆国によって運用されている静止気象衛星である。
- ✓開発と打ち上げはNASAが担い、運用はNOAAによって行われている。
- ✓アメリカ大陸の東西に配置され、気象観測だけでなく太陽活動などの宇宙環境観測も行っている。
GOES(Geostationary Operational Environmental Satellite)は、1975年から運用されているアメリカ合衆国の静止気象衛星シリーズである。主に気象観測を目的としているが、太陽活動や地球周辺の宇宙環境を広範囲にモニタリングする役割も担っている。開発と打ち上げはアメリカ航空宇宙局(NASA)が担当し、実際の運用はアメリカ海洋大気庁(NOAA)が実施している。
運用体制と軌道配置
GOESシリーズの衛星は、通常アメリカ大陸上空の東西に1機ずつ配置されている。大西洋側をカバーする「GOES-East」と、太平洋側をカバーする「GOES-West」の体制を基本として運用が行われてきた。運用期間中には、新型機の打ち上げや軌道上のトラブルに伴う予備機への切り替え、あるいは他国や他機関への移管など、柔軟な運用変更が実施されている。
主要な観測機器と技術の変遷
初期のGOESシリーズでは衛星自体のスピンを利用して観測を行っていたが、世代が進むにつれて三軸姿勢制御方式が採用され、特定の地域を集中して高頻度に観測することが可能となった。主な観測機器には以下のものが含まれる。
- イメージャー(ABIなど): 雲の分布や水蒸気量、オゾン層などを多波長で観測する。
- SEM(宇宙環境モニタリング): 荷電粒子やX線、磁力などを観測し、電波障害や衛星運用への影響を把握する。
- SXI(太陽X線イメージャー): 太陽表面のフレアやコロナの構造を常時観測する。
近年のシリーズと発展
最新世代であるGOES-Rシリーズでは観測性能が大幅に強化され、高頻度な全球観測やターゲット観測が可能となった。一方で、一部の機体ではセンサーの冷却システムに関する運用上の調整が行われるなど、技術的な課題に対する運用上の工夫も重ねられている。また、一部の退役した衛星が別の国際的枠組みや他機関(アメリカ宇宙軍など)の管理下で再利用される事例もある。
よくある質問
GOESとは何の略ですか?
Geostationary Operational Environmental Satellite(静止軌道環境観測衛星)の略です。
GOESシリーズはどの機関が運用していますか?
アメリカ海洋大気庁(NOAA)が運用を行い、開発と打ち上げはアメリカ航空宇宙局(NASA)が担当しています。
どのような観測を行っていますか?
気象情報の収集だけでなく、太陽からのX線や荷電粒子など、地球を取り巻く宇宙環境の広範なモニタリングを行っています。
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参考文献
NOAA / NASA 公式資料および関連技術報告書