無機化合物
水酸化金(III)の化学的特性と用途
水酸化金(III)の化学式、物理的・化学的性質、両性物質としての特徴、および主な用途について解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓化学式は Au(OH)3 で表される金の水酸化物である。
- ✓外観は黄褐色の粉末で、水に対する溶解度は極めて低い。
- ✓約140℃に加熱すると分解して酸化金(III)になる両性物質である。
- ✓Au3+の水溶液に塩基を加えることで黄褐色の沈殿として生成される。
水酸化金(III)(すいさんかきん、英語: Gold(III) hydroxide)は、金の水酸化物であり、化学式 Au(OH)3 または三水酸化金として表される無機化合物である。鉱物学や歴史的な文脈では金酸(Auric acid)と呼ばれることもある。
物理的・化学的性質
水酸化金(III)は、標準状態において黄褐色の粉末として存在する。水に対する溶解度は極めて低く、0.00007 g/100 gである。分子形状は金原子の周囲において三角二面角の配位構造をとる。また、本物質は両性物質としての性質を示し、酸解離定数(pKa)の値として報告されている数値には、11.7未満、13.36、15.3超などが挙げられる。
熱に対する挙動としては、およそ140℃に加熱することで分解し、酸化金(III)へと変化する。化学的な合成方法としては、Au3+を含む水溶液に対して塩基を加えることで、黄褐色の沈殿として得ることが可能である。
用途
水酸化金(III)は、以下のような多様な分野や製造プロセスにおいて利用されてきた歴史や実績を持つ。
- 医薬品の製造および関連用途
- 陶磁器の製造工程
- 金めっき技術
- 初期の写真技法であるダゲレオタイプ
- 触媒としての応用
よくある質問
水酸化金(III)の化学式は何ですか?
化学式は Au(OH)3 です。
水酸化金(III)を加熱するとどうなりますか?
約140℃に加熱すると分解し、酸化金(III)になります。
水酸化金(III)はどのようにして得られますか?
Au3+の水溶液に塩基を加えることで、黄褐色の沈殿として得られます。
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参考文献
Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 4–59. ISBN 0-8493-0594-2. / PubChem Compound, CID 11536100. / Perrin, D. D. (1982), Ionisation Constants of Inorganic Acids and Bases in Aqueous Solution, IUPAC Chemical Data (2nd ed.), Oxford: Pergamon.