気象学・環境科学

大気中における温室効果ガスの特性と排出動向

大気中における温室効果ガスの特性と排出動向
地球温暖化の主要因とされる温室効果ガスの定義、地球温暖化係数、国内外の排出状況や大気中濃度の推移について解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 温室効果ガスは地表からの赤外線を吸収して温室効果をもたらす気体であり、二酸化炭素やメタンなどが含まれる。
  • 地球温暖化係数(GWP)は二酸化炭素を基準として各種気体の影響度を比較する指標である。
  • 2024年の全球平均二酸化炭素濃度は過去最大の上昇幅を記録したことが報告されている。

温室効果ガス( greenhouse gas; GHG)とは、地球の大気圏において地表から放射される赤外線の一部を吸収し、再び地表へ向けて放射することで温室効果をもたらす気体の総称である。水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類などがこれに該当し、近年は大気中の濃度増加が地球温暖化の主な原因として懸念されている。

主な気体と地球温暖化係数

各種の温室効果ガスが持つ気候への影響度は、二酸化炭素を基準とした地球温暖化係数(GWP)によって比較される。モントリオール議定書の改正において再定義された100年間スケールのGWPが汎用されているが、メタンのように短期間で分解される物質については直近の温暖化効力がさらに大きくなる特性がある。

温室効果ガスの比率(2011) と放出源及び吸収源(2000年代)の図
温室効果ガスの比率(2011) と放出源及び吸収源(2000年代)

世界の排出状況と大気中濃度

世界の温室効果ガス排出量は増加傾向にあり、主要国では中国、アメリカ、インド、ロシアなどの排出割合が高い。世界気象機関(WMO)や国立環境研究所などの観測によると、2024年の全球平均地上濃度は前例のないレベルに達し、二酸化炭素の年増加量が過去最大を記録したことが報告されている。

日本の温室効果ガス各物質の割合(2019)のグラフ
日本の温室効果ガス各物質の割合(2019)

日本における排出動向

日本国内における排出量は、エネルギー転換部門や産業部門からの割合が大きい。また、メタンの発生源としては稲作や家畜の消化器官内発酵などが挙げられ、経済活動や電源構成の変化に伴って増減の推移を示している。

よくある質問

温室効果ガスにはどのような気体が含まれますか?
水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類、六フッ化硫黄などが温室効果ガスに該当します。
地球温暖化係数とは何ですか?
二酸化炭素を基準として、各種気体が大気中に放出された際の濃度あたりの温室効果の強度を比較して表した数値です。

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参考文献

  • 小倉義光『一般気象学』(第2版補訂版)東京大学出版会、2016年。
  • 気象庁「温室効果ガスの種類」
  • 国立環境研究所「地球全体の二酸化炭素濃度の年増加量が過去14年間で最大に」