法制史

人身保護法 (イギリス)

1679年にイギリスで制定された人身保護法(Habeas Corpus Act)の歴史的背景と意義を解説。不当な逮捕・拘禁に対する救済制度の確立について。

📌 主なポイント

  • ✓1679年にイギリスで制定された法律である。
  • ✓不当な逮捕や拘禁に対する救済手続きを確立した。
  • ✓近代的な身体の自由の保障制度の基礎となった。

人身保護法(Habeas Corpus Act)は、1679年にイギリスで制定された法律である。不当な逮捕や拘禁を受けた者に対し、裁判所を通じて身体の自由を回復させるための救済手続きを定めたもので、近代的な人権保障の先駆けとして知られる。

歴史的背景

17世紀後半、イングランド王政復古後のチャールズ2世による絶対王政的な統治に対し、議会は強い警戒感を抱いていた。特にカトリック擁護政策や清教徒への弾圧が議会との対立を深める中、国民の身体の自由を保護する法的枠組みの整備が急務となった。

人身保護令状(ヘイビアス・コーパス)自体は13世紀頃から存在していたが、1679年の法律は、刑事犯全体を対象に令状発行の迅速化と手続きの厳格化を図った点に大きな意義がある。これにより、国王や政府による恣意的な拘束を制限する法的基盤が強化された。

意義と影響

本法は、後の民主主義国家における身体の自由を保障する制度のモデルとなった。1948年に日本で制定された人身保護法の範ともなっており、法治主義の発展において極めて重要な役割を果たした。

よくある質問

人身保護法が制定された目的は何ですか?
国王や政府による不当な逮捕・拘禁から国民の身体の自由を守り、裁判所を通じて迅速に救済する手続きを確立することが目的です。
ヘイビアス・コーパスとは何ですか?
「身体を提示せよ」を意味するラテン語で、不当に拘束されている疑いのある者を裁判所に連行し、拘束の適法性を審査させるための令状を指します。

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参考文献

  • 大久保桂子「人身保護法(イギリス)」『日本大百科全書(ニッポニカ)』コトバンク。
  • 「ヘビアス・コーパス」『世界大百科事典 第2版』コトバンク。
  • 小林一郎『人身保護法概論』有斐閣。