廃品回収の仕組みと法的規制、国内外の動向に関する総合解説

📌 主なポイント
- ✓廃品回収は再生可能な資源の再資源化や環境保全、収益活動を目的として行われる。
- ✓日本では行政回収のほか、自治会やPTAなどによる「資源物集団回収」が行われている。
- ✓一般家庭の一般廃棄物を収集・運搬・処分するには自治体の一般廃棄物処理業の許可が必要である。
廃品回収(はいひんかいしゅう)とは、再生可能な資源となる廃品を、再資源化、環境保全、収益活動などを目的として回収することです。
日本における回収システム
日本では古紙等の資源物回収に関して、行政(厳密には行政の委託業者)が行う「行政回収」と、地域の自治会等が行う「集団回収」が存在します。後者の「廃品回収運動」は1950年代後半から町会などが活動資金の創出のために活動を始めたものが拡大したものです。また、いわゆる「ちり紙交換」のように集団回収ではなく業者が巡回して各家庭から持ち出された古紙を回収するケースもあります。ちり紙交換は1964年に古紙業者が開始したもので日本全国に広まりました。

資源物集団回収の概要とメリット
日本では、家庭から出る資源ごみ(新聞、雑誌、紙パック、段ボール、その他の古紙、空き瓶、空き缶、ペットボトルなど)を自治会、町内会、PTA、子ども会、老人クラブなどが団体で収集し資源物回収業者に引き渡す活動を行っている地域があります。自治体によって「資源物集団回収」、「再生資源回収」、「有価物集団回収」といった名称で呼ばれています。

資源物集団回収には、ごみの減量、再資源化による資源の有効利用、地域コミュニティの形成、環境意識の向上、収益金の利用などのメリットがあります。集団回収の方法には、地域内に集積所を決めて収集する拠点収集と、自宅前で回収する各戸収集があります。

法規制と悪質業者をめぐる問題
一般家庭からの一般廃棄物を収集・運搬・処分するには、自治体の一般廃棄物処理業の許可が必要です。産業廃棄物の許可、古物営業の許可、貨物運送事業の許可では、一般家庭からの一般廃棄物収集・運搬・処分を行うことはできません。
無許可業者によるトラブル
先述のように一般家庭から粗大ごみを有料で回収するためには、当該市区町村による一般廃棄物収集運搬の許可が必要です。近年、ポスティングや軽トラックに搭載した拡声機で宣伝する無許可業者があらわれ、無料回収をうたいながら料金を請求する、不用品を積み込んだあとで法外な料金を要求する、回収を依頼していない物品まで無理やりトラックに積み込む、不法投棄する等のトラブルが全国で多数発生しています。これを受け、国民生活センターや地方自治体から注意喚起が出されています。
資源ごみの持ち去りと拡声器規制
市民がゴミ置き場に出した資源ごみを、自治体に指定されていない業者が無断で持ち去る事例が相次ぎ、条例を改正して持ち去りを禁じる自治体が増えています。また、拡声器を用いた商業宣伝については、1989年(平成元年)の旧環境庁の通達に基づき各都道府県で条例が制定されており、住宅街を巡回する廃品回収車や移動販売車が規制対象となっています。
中国および東南アジアの動向
中国では、循環経済の促進や廃棄物処理に関して各種法規制を整備してきました。2009年には「循環経済促進法」が施行されたほか、「廃棄電器電子製品回収処理管理条例」(中国版WEEE)が公布され、処理基金の設立や資格制度が導入されました。また、中国政府は環境保護の観点から輸入廃棄物の規制を強化しています。タイなどの東南アジアでは、家庭からの不用品がサレーンと呼ばれる三輪車やトラックで回収され、最終的にジャンク・ショップと呼ばれる業者に集められる流通経路が存在します。