日本の地理

函館平野の地理と歴史:北海道道南の沖積平野

函館平野の地理と歴史:北海道道南の沖積平野
北海道道南地方に広がる函館平野の地理的特徴、形成過程、気候、および農業の歴史について詳しく解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 函館平野は、北斗市から函館市にかけて函館湾に面して広がる沖積平野である。
  • 大野川などの河川から供給された土砂が堆積して陸化し、平野が形成された。
  • 冬の気候は対馬海流の影響により北海道内では相対的に穏やかで、降雪も比較的少ない。
  • 北斗市の旧大野町域は北海道で最初に米作が行なわれた場所とされ、元禄時代から米作の歴史を持つ。

函館平野(はこだてへいや)は、北海道の道南地方に位置し、北斗市から函館市にかけて函館湾に面した地域に広がる平野である。

函館平野周辺の地形を示す画像
函館平野周辺

地理的特徴と地形

函館平野の概形は、南側の海岸線およそ10キロメートルを底辺とし、海岸からの奥行きおよそ12から13キロメートルを高さとする三角形に見立てられる。周囲は、北から東にかけて亀田半島の脊梁山脈、北から西にかけて松前半島の脊梁山脈に囲まれ、南側は函館山と函館湾に面している。なお、大野平野あるいは亀田平野とも呼ばれることがある。

同平野は、黒松内低地帯の南方延長線上にあたる。地形の形成過程としては、縄文海進以降の海退期に現在の海岸線付近へ砂丘が形成された後、潟湖となった後背地の水面が、大野川などの河川によって供給される土砂の堆積によって陸化して形成されたと考えられている。そのため、砂丘を形成した潮流などの作用はあるものの、海岸平野ではなく沖積平野に分類される。また、西縁には活断層群が存在するが、東縁には活断層がないという特徴を持つ。

北斗市のきじひき高原から見下ろした大野平野と函館湾、新函館北斗駅の眺望
北斗市のきじひき高原から見下ろした大野平野と函館湾。画像右上の端にあるのが函館山。画像左下にあるのが 新函館北斗駅 。

気候と農業

ほぼ全域が冷帯湿潤気候に属する北海道内において、函館平野は対馬海流の影響が津軽海峡にまで及ぶため、冬の寒さは比較的穏やかであり、降雪量も道内の他の地域と比べてさほど多くない。

また、函館周辺は、生物分布において北海道内でも「本州的要素の最も濃厚な地域」とされ、植物の種の数にして約75パーセントが本州北部との共通種であると指摘されている。

このような本州に近い気候条件を背景に、函館平野では江戸時代から本州と同様の農業導入が試みられた。函館平野の中央に位置する現在の北斗市の一部(旧大野町域)は、北海道で最初に米作が行なわれた場所とされており、元禄時代から米作が行なわれてきた歴史を持つ。現在でも、北斗市では農地のほぼ半分が水田として利用されている。

該当する自治体

よくある質問

函館平野はどのようにして形成されましたか?
縄文海進以降の海退期に海岸線付近へ砂丘が形成された後、潟湖となった後背地に大野川などの河川から供給された土砂が堆積して陸化し、形成されました。
函館平野の気候にはどのような特徴がありますか?
対馬海流の影響が津軽海峡にまで及ぶため、北海道内の冷帯湿潤気候に属しつつも、冬は相対的に穏やかで降雪もさほど多くないという特徴があります。
函館平野に含まれる自治体を教えてください。
函館市、北斗市、七飯町が該当します。

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函館市北斗市七飯町大野川津軽海峡沖積平野

参考文献

和田信彦、村山泰司、丸谷薫、広田知保「415 函館平野の水理地質と地下水」『日本地質学会学術大会講演要旨』第94巻、日本地質学会、1987年4月2日。
函館市「平地形成の経過」『函館市史 通説編第1巻』函館市、1980年、35-37頁。
函館市「函館地方生物分布の特質」『函館市史 通説編第1巻』函館市、1980年、62頁。