ハンドルシステム:インターネット資源の永続的識別子管理技術
📌 主なポイント
- ✓ハンドルシステムは、ロバート・カーンによってDARPAの支援のもとCNRIで開発された。
- ✓IETFのRFC 3650、3651、3652によってプロトコルや仕様が定義されている。
- ✓デジタルオブジェクト識別子(DOI)システムをはじめとする様々な永続的識別子スキームの基盤として利用されている。
ハンドルシステム(Handle System)は、インターネット上に存在するデジタルオブジェクトやその他の資源に対して、永続的識別子を付与、管理、および名前解決するための技術仕様である。
本システムは、デジタル情報資源の識別子(ハンドル)を保存し、ネットワーク上で名前解決を行う分散的なコンピュータシステムを構築するために策定された。ハンドルとしてシステムに保存された識別子は、ユーザが対象のデジタル情報資源を特定し、アクセスし、利用するために必要な情報へと名前解決される。
概要と開発の背景
ハンドルシステムは、TCP/IPの共同開発者であるロバート・カーンによって、米国国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けてCorporation for National Research Initiatives(CNRI)で開発された。現在もCNRIによって開発および管理が続けられている。
本システムは、保存場所といった可変的な属性に依存するパケットとしてではなく、第一級オブジェクトとして情報資源を管理することができる。また、分散的なデジタルオブジェクトサービスのための広範なフレームワークとしても位置づけられているが、独立したアプリケーションとして単体で利用することも可能である。
仕様とプロトコル
ハンドルシステムは、IETF(Internet Engineering Task Force)によって発行されたRFC 3650、RFC 3651、RFC 3652の文書群によって定義されている。
- RFC 3650:ハンドルシステムの概要
- RFC 3651:名前空間とサービス定義
- RFC 3652:プロトコル仕様(バージョン2.1)
それぞれのハンドルは型付けされたデータを志向しており、データの検証を行うデジタル署名や、データの送信を検証するためのチャレンジ/レスポンス認証を経由してセキュアに運用される。
名前解決の仕組み
ハンドルシステムの実装は、複数のローカル・ハンドルサービス(LHS)から構成される。Global Handle Registry(GHR)は、システム内部にあるプレフィックス(名称典拠)に関する情報を格納する中心的な役割を担う。
ユーザがクライアントソフトウェアを通じてハンドルをクエリすると、GHRは該当するハンドルが保存されている適切なローカル・ハンドルサービスの所在情報を返す。その後、クエリはLHS内部のサーバへ送信され、情報資源を得るために必要な情報(HTTPリダイレクトに変換されるURLなど)が取得される。
主なアプリケーションと応用
ハンドルシステムは、論文、技術レポート、書籍、学位論文、政府文書、メタデータ、分散学習コンテンツ、データセットなど、多岐にわたるオブジェクトの識別子として利用されている。なかでも最も広く知られた応用例の一つが、出版社等によって採用されているデジタルオブジェクト識別子(DOI)システムである。
設計理念
ハンドルシステムは、識別子の永続性を担保するために以下の設計理念に基づいて構築されている。
- 識別子の文字列は、所在や所有者などの可変的な属性に基づかないこと。
- 識別子はなるべく意味を持たない文字列(愚かな数字)とすること。
- システム内部でユニーク(一意)であること。
- 名前解決メカニズムにおいて単一障害点を持たず、冗長性と拡張性を備えていること。
よくある質問
ハンドルシステムとは何ですか?
ハンドルシステムは誰によって開発されましたか?
DNSとの違いは何ですか?
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参考文献
- "Current Applications of the Handle System" - Handle.Net Registry
- "A Framework for Distributed Digital Object Services" - Kahn/Wilensky Architecture
- RFC 3650 - Handle System Overview
- RFC 3651 - Handle System Namespace and Service Definition
- RFC 3652 - Handle System Protocol (ver 2.1) Specification