材料工学
材料工学における硬さの定義と測定方法の基礎
材料工学における硬さ(硬度)の定義、各種試験方法(ブリネル、ビッカース、ロックウェル、モース硬度など)の特徴について解説します。
📌 主なポイント
- ✓硬さは、物質の表面における変形しにくさや傷つきにくさを示す機械的性質である。
- ✓金属の評価には主にブリネル、ビッカース、ロックウェルなどの押し込み硬さ試験法が用いられる。
- ✓モース硬度は10段階の基準鉱物を用いて鉱物の傷つきやすさを比較する手法である。
硬さ(かたさ、英: hardness、硬度)とは、物質や材料の特に表面または表面近傍における機械的性質の一つである。材料が異物によって変形や傷を与えられようとする際の、物体の変形しにくさや傷つきにくさを指す。工業分野では品質管理や熱処理の結果を評価する手段として広く利用されている。
硬さの概念と測定の多様性
硬さの概念は、対象とする材料の種類や評価したい性能項目によって異なる。金属、セラミックス、ゴムなどの材料特性はそれぞれ異なるため、目的に応じて多様な測定法が開発されてきた。
金属材料の評価では、一定の荷重を加えて生じるくぼみ(圧痕)の面積や深さから変形のしにくさを測定する「押し込み硬さ試験法」が多く用いられる。一方、ゴムやプラスチックなどの高分子材料では、一定荷重を加えた際の変形量や圧子の押し込み深さを測定する手法が用いられることが多い。
主な硬さ試験法の一覧
材料の特性や用途に応じて、以下のような多様な硬さ試験法が存在する。
- ブリネル硬さ(HBS, HBW):球状の圧子を用いて、圧痕の表面積で試験荷重を割って算出する押込み硬さ試験法。
- ビッカース硬さ(HV):頂角136°の四角錐圧子を使用し、最も広く普及している押込み硬さ試験法の一つ。
- ロックウェル硬さ(HRC, HRB):円錐または鋼球の圧子を使用し、試験荷重と基準荷重の荷重差によるくぼみの深さから算出する手法。
- モース硬度:10段階の基準鉱物を用いて、引っかいたときの傷の有無で判定するヒッカキ硬さの指標。主に野外での鉱物同定などに用いられる。
- ショア硬さ(HS):ダイヤモンド半球を取り付けたハンマーを落下させ、その跳ね返り高さから算出する反発硬さ試験法。
関連する機械的性質
材料の力学的特性を評価する際には、硬さ以外にも以下のような指標が参照される。
- ヤング率(縦弾性係数)
- 剛性率
- 引張強さおよび引張応力
- 圧縮強さおよび圧縮応力
- せん断強さおよびせん断応力
- ひずみ
よくある質問
硬さとは何ですか?
材料の表面または表面近傍において、異物による変形や傷に対する抵抗力を指す機械的性質です。
ビッカース硬さの特徴は何ですか?
頂角136°の四角錐圧子を使用し、圧痕の表面積で荷重を割って算出する、工業的に最も広く普及している押し込み硬さ試験法です。
モース硬度はどのような場面で使用されますか?
10段階の基準鉱物を用いて引っかき傷の有無を調べるもので、主に野外での鉱物の同定などに用いられます。
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参考文献
日本材料学会(編)各種材料試験関連文献および工業規格に基づく。